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バッドエンドストーリー  作者: トウイ小秋大福
1/2

大抵こう死ぬ

「やめろッ、こっちにくるなッ」

薄暗く、狭い路地に中年の男の声が響いた。男の背中側には大きな塀があり、日々運動していない中年には登ることは叶わないような高さだった。

「来るんじゃないッ、それ以上来たら撃つぞッ、化け物がッ」

そう叫んだ中年の男が握っていたのは、M1911、またの名をガメントと呼ばれるハンドガンだった。

普通よりは小さい銃口を向けた先には、男の言うように確かに「化け物」が何匹もいた。

土気色の肌に引きずっている足、自我のない目に、所々ない歯。この世界一般で「ゾンビ」と呼ばれている生き物だった。

どうやって中年の男の位置をつかんでいるのかは不明だが、確実に、近づいてきている。

そして、ついに男とゾンビの先頭の距離が7メートルをきったところで、男が引き金を引いた。

軽い発砲音と空薬莢が落ちる音がリズミカルに鳴り続ける。


だが、倒れない。

理由は非常に簡単(シンプル)。弾丸がゾンビに当たっていないからである。

元々、あまり銃を撃ったことのない中年の男の射撃精度は酷く、おまけに生死のかかった緊張で、手が震えている。当たるはずが無かった。

「くそッくそッくそッ!」

悪態をつきながら、空の弾倉(マガジン)を外し、新しい弾倉(マガジン)を差し込もうとするが、手の震えが止まらずなかなか入らない。4回目ぐらいの挑戦でようやく入り、下がりきったスライドという部品を引いて弾丸を薬室に送り込んだところで、


中年の男は目と鼻の先にいるゾンビと目があった。


「あえ?」

間抜けた声と共にゾンビに押し倒されると、ゾンビの群れに飲み込まれていく。中年の男も抵抗しなかったわけではない。

だが、ゾンビに肉を食い千切られたショックで体が動かず、カラスに(ついば)まれるように少しずつ補食されていていく。

最初は暴れていた中年の男は徐々に動かなくなり、身体の4割を食われた時点で動かなくなった。




薄暗く、汚い路地に食い散らされた男の死体があった。

それを眺めるように一匹の小さな女の子のゾンビが立っていた。その表情はニタニタと笑っていたが、しばらくすると大声で笑い始め、

「ブザマ!シンデモブザマ!アハハハッアハッ、アハハッ、マトモニテッポウモウテズシンダッ、ソレニサイゴノ、ブフフッ、アバレテタスガタ!アハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!」

ずっと指を指しながら笑っていた。ずっとずっとずっと笑っていた。






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