表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マーシナル・コード  作者: 神蔵悠介
8/8

動き始めた歯車 ②

遅れてしまい本当に申し訳ございません

 揚陸艦内部。


 優真が放った荷電粒子砲を受けた揚陸艦は母国へ戻るために急いでいた。


「被害情報を教えろ!」


 クルシスが言うと、ブリッジ内の乗員が調べる。


「側面が大破! 被害は幸いな事に中破で済んでいますが、長くは飛行出来ません!」

「今すぐに母国へ帰還後、地球へ通信を入れるんだ!」

「「「了解!!」」」


 クルシスは椅子に座り、これからの事を考え始める。

 何故、姫様とリサは私の揚陸艦に攻撃を? 識別出来ている筈だ。……もしや!

 まさかと思い、クルシスは全機体のデータを直ぐに見直す。

 そして、地球の大気圏を抜け宇宙に出るクルシスの揚陸艦。


「境界線まで約10分で到着します」


 オペレーターがクルシスに言うと、クルシスは、


「ディオス王子に繋げてくれ」


 と伝えると、オペレーターはディオへ連絡を取る。


『何かな? クルシス卿』

「……ディオス王子。何故、姫様もしくは、リサが私達を攻撃した?」

『裏切ったのでは?』


 ディオのふざけた発言に、クルシスは勢い良く立ち上がる。


「ふざけた事を言うな!! いいか! 貴様は〝たまたま〟その立場にいるだけだ! 私達が本気を出せば、貴様なぞ直ぐにでも王位継承の座から引きずり落とす事だって可能だからな!!」

『怖いですねぇ……クルシス卿。もう一度聞きたい事があります』

「なんだ……」

『あのA.S。〝カレイドブルッフに攻撃されたのですか?〟』

「間違いない、攻撃はされた。だが、乗っていたのが本当に姫様とリサであったかは、確認が取れていない。私は直ぐに国に戻り、地球へ連絡して、姫様に事情を聞かねばならん」

『……ほう? では、何故私に連絡を?』


 クルシスは通信画面に先程見てた機体データを表示させる。


「これはどういう事だ?」

『……』

「なぜ――」


 クルシスは立ち上がり、


「私の艦に貴様の兵のA.Sが搭載されているんだ?」


 ディオにクルシスは言うと、


『クハハ……ハッハッハ……』


 突然ディオが笑い出す。


「笑い事では無い! 私の艦から突然識別不明の一機が出撃したんだ! それを調べればなんだ? 貴様の兵の機体では無いか!!」


 クルシスは怒りを露にしてディオに言う。


『流石クルシス卿。姫派の上の方に居るだけあるな。アホではない』

「なに?」

『だがクルシス卿、知っているか?』

「なにがだ?」

『〝ここ〟のデブリ帯。最近、地球エデン側がセントリーガンの配置をしたらしいぞ?』

「――ッ!! バリア展開!!」


 数秒後、地球側の配置したセントリーガンがクルシスの揚陸艦を攻撃する。

 バリアが間に合わず、揚陸艦は被弾する。だが、直ぐにバリアが張られ撃沈せずに済む。

 それを見たディオは舌打ちをする。


『流石に落ちはしないか』


 笑いながら言うディオを無視するようにしてクルシスは、


「被害状況は!」

「被害軽微です!」


 聞いてからクルシスはディオを睨む。


「私がまず帰ったら、やることは一つだ」

『ほう』

「貴様を王位継承の座を下ろす抗議を王に申し立てるッ!!」

『……クルシス、俺の中でのストーリーはこうだ。クルシス卿は姫様の安否を確認しに地球へ向かう。だが、奪取された我が国の最新A.Sにより中破を受け、母国へ戻る際に地球からの追撃により、撃沈。とね』

「なにを言って――」


 クルシスが言おうとした瞬間、レーダーが反応してアラートが鳴る。


「識別不明機体接近! 場所は……この真上ですッ!!」


 オペレーターがクルシスに言うと同時に頭上の映像をブリッジに展開させる。

 そして、識別不明機体を見たクルシスは驚く。


「な、なぜ、最新A.Sのクラレントがここに……――ッ!! まさか!!」

『そうだ、私はここにいたよクルシス。そして、クラレントは私が乗っている』


 赤を基調とし、所々に黒と白色の入っているA.Sクラレントが揚陸艦の真上に浮いていた。


「だから、〝ここ〟と言っていたのかッ……! クッ……! 私のブリューナクを!!」

「――緊急通信です! クルシス様! ブリューナクとA.S三機。それと全脱出船が離脱しましたッ!!」

「なッ!! グッ……!! ディオオオオオオオオオ!!!!」


 クルシスは画面越しのディオに怒りを露わにして叫ぶ。


『あんたは戦争の引き起こす為の弾丸だ。銃は姫とあのA.Sだ。フッフ……クルシス卿、貴方がいたからこそ、ここまで順調にコトを運べた』

「全機、出撃! 頭上のクラレントを撃墜せよ!!」


 クルシスが揚陸艦内のパイロットに言うが、


『本当にありがとう。そして――」


 ディオはクラレントの腰に着いている大型ライフルを掴み、揚陸艦をロックして、


『死ぬがいい』


 ブリッジに荷電粒子砲を放った。


「ディオオオオオ――――」


 ディオに向かって叫ぶ。だが、ブリッジを荷電粒子砲が貫き、貫かれた後は少しづつ爆破して行き、最後にはクルシスの揚陸艦は撃沈した。

 そして、最後はノイズ音のみがクラレントのコックピット内を響かせた。

 その後、ディオのA.Sクラレントに近付く、王子派。


「目的は果たした。帰還するぞ。同士達よ」

『『『了解!』』』


 ディオ達はその場から離れて帰還した。



 つづく

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ