動き始めた歯車
物語の歯車が動き始めます。
地球側、A.Sの落ちてきた裏山。
優真は近道を使い、A.Sの落ちてきた場所へ着いた。
優真は倒れているA.Sの足を触りながらA.Sを見る。
「……見たことがないな。これが異世界の機体か? 資料とは全然違うな」
と言ってから優真は予め護身用に拳銃を取り出してから、機体に上がる。
そして、コックピット近くに行き、ハッチ開閉ボタンを探す。
「あった……」
優真は深呼吸を一回してから、ボタンを押してハッチを開けた。
開けきった所でハッチの外枠からゆっくりと、中を覗くようにしてから、
「動くな!」
言うが、倒れていたのは金髪で白いドレスを着た女性が倒れていた。
その後ろに、黒髪の女性も倒れていて優真は、急いで女性に近付く。
「大丈夫ですか!?」
優真が大きな声で金髪の女性に声を掛けると、
「うッ……」
金髪の女性が目を覚ました。
「ここは愛宕山の近くです。分かりますか?」
「……いえ、あのここは何処ですか?」
「ここは〝地球〟です」
金髪の女性は優真の発言に驚愕と戦慄する。
そして、金髪の女性は後ろを振り向く、
「――!! リサ!!」
金髪の女性はリサの身体を揺さぶりながら言う。
だが、目を覚まさないリサ。
「安心してください。気絶しているだけです」
優真が優しく金髪の女性に言うと、金髪の女性は涙目になりながら優真を見る。
「地球人さん、ここは危険です! 早く避難して下さい!」
「何が起きているんですか?」
「死んでしまいま――」
金髪の女性が言おうとした瞬間、何かをキャッチしたのか機体のレーダーが反応した。
金髪の女性はそのレーダーを見てから、戦慄する。
「ここまで……」
俯きながら言う金髪の女性。
「ここまで着て、戦争をしようとするのですかッ!!」
金髪の女性が言うと、涙を流しながらその場に俯く。
優真は戦争と言うワードに反応したのと、金髪の女性がほっとけず。
「退いてください」
優真は金髪の女性言うと、女性は後部座席と座席の間に立つ。
「な、なにを?」
「動かします」
そう言うと、優真はA.Sを起動させる。そして、レバーを引いて上体を起こす。
その後、機体に異常が無いか確認した。
「問題は、ない」
「……」
A.Sを簡単に操作する優真に驚く金髪の女性。
「義務教育として、取り入れられているんですよ。いつ、異世界が攻めて来るか分からないので」
優真の発言に黙り込む金髪の女性。
すると、何処からかロックされ、アラートが鳴る。
ロックされた方角を見ると、
「王子派のA.Sですか……ッ」
「ハッチを閉めます。後部座席に行って、何かに捕まっていて下さい」
優真はそう言うと、起き上がって被害の少ない場所へ反転して走る。
走った瞬間、王子派のA.Sの持つ、マシンガンが優真達の乗るA.Sに発砲された。
優真は走っている間に武装確認をしており、そこに展開式フォトンバリアあり、機体を反転してから展開する。
「……アイツら。何が目当てなんですか?」
「……私と、この機体です」
「そうですか。でも、この機体は渡せないんですよね?」
優真は事情は知らないが、そんな感じがしたので聞いてみる。
「戦争の引き金になるかも知れません……、渡したくはありません。ですが……」
「戦争は起こる。と言う事ですか?」
「……私がこちらに着た時点でもう遅いかも知れません……」
「なるほど」
話している間も王子派のA.Sは発砲を止めない。そして、リロードに入る瞬間に、優真はブースターレバーを引く。
すると、優真の乗っているA.Sは王子派のA.Sに向かって飛んだ。
王子派のA.Sに体当たりをして王子派のA.Sを落とす。
落とした後、優真は腰に着いているナイフを取り出して、マシンガンに突き刺す。
その後、またロックされ上を見上げる。
「……戦艦?」
「いえ……揚陸艦です……」
すると、揚陸艦から大量のA.Sが出撃された。
優真はA.Sに腕に着いていた銃を揚陸艦に向けて構える。
「……」
「どうしたんですか?」
「貴方は異世界の人ですよね?」
「――ッ! ……そうです」
「このままだと、撃墜もしくは鹵獲になります」
「……はい」
「貴方の同胞を今から俺が撃つことになりますが、大丈夫ですか?」
「……お願いします」
「分かりました」
優真は元々着いている銃を撃つ。だが、予想を遥かに超える物であった。
打ち出されたのは荷電粒子砲であった。
その瞬間、優真は射線をずらして、敵A.Sを一機も撃墜させず、揚陸艦だけを狙った。
余りに強大な威力の荷電粒子砲を側面に受けた揚陸艦は、ゆっくり反転する。
出撃したA.Sも揚陸艦に戻っていく。
「……荷電粒子砲。危険すぎる……」
「……なぜ、落とさなかったのですか?」
金髪の女性は前の席に座っている優真に聞くと、優真は振り返り、
「貴方が悲しそうな顔をすると思い。外しておきました。だけど、相手の被害は大きい」
「……ありがとうございます」
「いえ」
そう言うと、優真はA.Sの膝を地面に着かせて起動を停止しようした。
「あの、お名前を」
「坂井優真です」
「坂井、優真……さん。私は セラス・エストマ・オーフェリアです」
セラが笑って言うと、優真は少しドキっとした。
つづく
前回は12日の3:29分に投稿しました。今も連投です。
追記あるかもしれませんので、よろしくお願いします。
ありがとうございました