変わらぬ日常 ②
地球側のお話です。
優真達は学校に着き、美穂と真奈は一年の教室へ向かい、優真と将生、光輝は二年の教室へ向かった。
そして授業内容を確認する。
「二時限目と三時限目はA.Sの演習か」
五年前に強襲してきた異世界のA.Sに対抗する為に、全世界の総力を出して作った地球のA.S。
いつ異世界からの侵攻があるか分からないので、学校に義務教育としてA.Sが配備されている。それも二世代前の古い型を。
今ではA.Sもかなり進化し、ブースターパック、デザート使用など、様々なバリエーションが増えた。しかし、それはここ三年で急激に進化した影響である。
「……突然の技術の進化は可笑しいよな」
と呟く優真であった。そして、ホームルームが始まり、一時限目に突入した。
一時限目が終了し、優真と将生、光輝はロッカールームへ向かう。
「はぁ、俺A.S乗るの苦手なんだよな」
光輝が嫌そうに言う。
「なんで?」
その理由が分からない将生が光輝に聞く。
「だって、お前二年前までは俺等普通の中学生で、A.Sなんて夢のまた夢のお話だったんだぜ? それがここ三年でここまで進化しているんだぞ?」
「確かにここまで早いのはすごいし、二年前までは普通の中学生だったな。けど、高校からはA.Aの搭乗訓練は義務教育になってるからな。それに今はいまだ」
と言いながらパイロットスーツに着替えながら言う将生。
「将生の言うとおりだ。今は今だ、戦える時に戦わないで、殺されるなら俺は戦って死にたい。まぁ、光輝の意見もおかしくはない。俺も疑問に思っている事だから」
優真は言うと、パイロットスーツに着替え終わる。
スウェットスーツの様に身体を包み込み、肩と肘にプロテクターが付いておりネックサポートが着いている。
そして、専用のブーツを履いてからロッカールームのベンチに座った。
座ると同時ぐらいに将生が優真の前に立ち、光輝待ちとなる。
「今日の演習内容は? 隊長」
「今日は、射撃訓練と長距離射撃訓練」
「うーわッ、俺の苦手な長距離射撃かよ」
着替え終えた光輝が優真と将生に言ってきた。
「目標をロックして、弾道計算を打ち込めばいけるぞ」
「それが出来たら問題ねぇんだよ」
将生は光輝に言うが、光輝は弾道計算を打ち込むのが苦手だった。
「とりあえず、行こう」
「了解」
「あいさー」
優真が言うと、二人はインカムを耳に着けてロッカールームをでた。
ロッカールームを出て、訓練教官であり叔父の元へ向かう優真達。
格納庫にいる優真の叔父の坂井逸巳の前に立つ三人。
「おはよう、今日は射撃訓練と長距離射撃訓練だ」
「「「はい」」」
「では、A.Sに乗りたまえ」
「「「了解です」」」
三人は逸巳に敬礼をすると、すぐに整備の終えているA.Sに向かう。
「坂井訓練生」
「はい」
逸巳に呼ばれた優真は逸巳の前に小走りで向かった。
「優真、放課後に線香上げに行くから」
「分かりました」
「うむ、では行ってこい」
「はい」
「無茶はするなよ」
最後の言葉に優真はフッと笑い、A.Sに搭乗した。
逸巳は全員が搭乗を確認した所でインカムマイクを着けた。
「各機、応答せよ」
『坂井訓練生、異常なし』
『鷺沢訓練生、異常なし』
『蛯原訓練生、異常なし』
「では、持ち場に着きしだい、射撃訓練を行う」
『『『了解』』』
逸巳が言うと、優真達の乗るA.Sは歩きだして射撃訓練ゾーンに入る。
「訓練開始」
『『『了解』』』
逸巳が言うと、優真達は返答してから的を当てる射撃訓練が開始された。
優真は目標を捉え、80mmマシンガンを発砲して目標に当てる。
将生も優真一発外した後に、目標に当てた。そして、光輝は、
「弾道計算は、こうで……。ここか!」
光輝の放った弾丸は目標の左を抜けて当たらなかった。
「くそ……なら、右に微調整して……これならどうだ!」
今度は右にズレすぎて目標を大きく外す。
「ま、マジか……次ぎ外したら、俺不合格なんだが……」
と絶望する光輝の機体に優真が近付く。
『光輝、二発撃った弾道計算打ち込んで、オートモードにして照準を合わせてから、オートモード解除、それから目標を捉えると当たるよ』
「やってみるわ!」
そう言うと光輝は優真に言われた通りやって、最後に目標を捉えて発砲した。
打ち出された弾丸は見事に目標に当たり、光輝はギリギリの所で合格した。
「うおおお……優真、マジで感謝……!」
『次からそうしてみると良いよ。遠距離射撃も同じようなものだから』
その光景を見ていた逸巳はフッと笑い、
「蛯原訓練生、遠距離射撃の的は動くからな。それに遠距離の場合外して良いのは一回までだ。頑張りたまえ」
『りょ、了解です……』
それを聞いた光輝は絶望した。
つづく
書きなれたおかげか、こんな風に書けるようになっていました。
ありがとうございました