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D神殿の恋 共通① 運命の相手が目の前にいるとは限らない

「誕生日になったら一年以内に結婚したほうがいいわよ」

「そうね母上、それくらいが普通よね」


私はラヴァーズキル王国のプリンセス。

小国だけど争いとは無縁でそこそこいい暮らしをしている。


普通の小国なら強い国に負けてしまうが、この国には凄まじい加護をくれる神様が祭られているのだ。


ぶっちゃけ神仏は信じていない。

大昔に敵が攻めて来た時には偶然、天災が起き、敵兵が流されたとか、敵国が内側から滅んだとか、幸運なことが起きただけだろう。


明日は私の16の誕生日、そろそろ王子様が迎えに来てくれるわよね。


「なんか…体が重い」

誕生日当日、突如全身から力が抜けるようなだるさが私を襲った。


健康には自信があったのに、風邪でもひいたのだろうか。




「貴女、このままだと一年で死んじゃうわよ」と母が真顔で言う。

可愛い娘の誕生日に‘貴女は死ぬ’なんて酷い。


両親は尊ばれる善人の王と元大罪人で極悪の妃という異例のカップルである。


「次の誕生日まで…つまり一年以内に私たちを越える相手と婚姻の契りを交わし、祭壇に挨拶しないと貴女は死んでしまうのよ」


聞かされた時は作り話だと思って笑い飛ばしていた事が、事実であると知った。


「どうしたんだラヴリナ様、浮かない顔して」


幼馴染のボンヘルが心配そうに話しかけた。


「実は……いえ、なんでもないわ。この国では政略結婚が禁じられているから、いつになったら王子が現れるか憂鬱なのよ」


このことは他言無用であった。いくら幼馴染でも話せない。


「うわっ……」

「きゃっ!?」


神殿の近くを通ると、銀髪の青年とぶつかった。


「失礼、お怪我はありませんかプリンセス」

「ええ……貴方は?」


「私は神官……名をラギールといいます」


神官ラギールは神殿の中へ入る。


「ではこれにて」

「ええ」


こんなに素敵な男がこの国にいたなんて驚いたわ。

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