B罪人少女 共通①
――定期的に同じ夢を見ることがある。
場面は滅んだ筈のラフラント王国
それは歴史のほとんど残っていない場所だが、そこがなぜラフラントだと認識しているのかわからない。
景観はカメラワークのように動き、決まって自分が断頭台で裁かれていた。
「キーツァカ姉さんまたあの夢見た?」
「その口ぶりだとリモスも同じようね」
私と弟は両親をなくしてから、決まった家を持たず各地を周りながら汚い仕事をして生きてきた。
「そろそろ資金もなくなるよ。新しい仕事を貰いにいかない?」
「そーね」
私たちはいつでも逃げられるように雑貨等の荷物は持たない。
どうせいつ死ぬかわからないのだから物に執着しても無駄だ。
「新しく即位するアズマーナツゥ王子を殺せ」
王の忠臣と言われるジレイオスはブラッドという裏の顔を持つ。
彼は長年城で臣下をやっているが、列記とした私達の同類だ。
「いくらでも殺すチャンスはあったのに、どうして今?」
「母親は下級貴族の女でありながら優秀とされていた第一王子ピールが殺され、妃の子だが凡庸とされる王子アズマーナツゥに王位継承権が渡った」
「つまりアンタは王になる奴が優秀であるかないかで国を消すか続けるかを判断してるわけね?」
「そうだ」
「殺しのブラッドさんが丸くなりましたねー」
「まあ否定できんからな。好きに言えばいいさ」
「でも第一王子だからって必ず告げるわけじゃなかったわけでしょ?」
「もし生まれたのが女でも、順番で継ぐ決まりだったからな」
「なるほど」
「結局、受けるのか受けないのか」
「やるわ」
「決まってるじゃないか」
私達は金ほしさに二つ返事でオーケーした。