衝撃の事実
今回は説明メインでした。
視界が戻ると、今度はいくつかのソファやテーブルのある、応接室のような広い部屋にいた。
周りを見ると、チームの四人と、他のチームと思われる2つのグループがいた。そして、部屋の奥には例の男が立っていた。
「合格チームは3つですか。予想より多かったですね。お見事です」
拍手をしながら男が言った。
「それでは、結果発表をします。もうお分かりと思いますが、テストの内容は我々の用意した、訓練用ミノタウロスを倒すことです。一番早くに倒したのは、第四チームですね。このチームは成績優秀な者を集めたので、予想通りですね。続いては第一チーム。ここも予想通りです。
ですが、第三チーム。ここには驚きました!不確定要素の多いチームでしたが、まさかテストに合格するとは。時間はかかりすぎですが、まあ良しとしましょう。」
そこまで言ったところで、俺はずっと疑問だったことを尋ねた。
「ずっと思ってたんだけど、一体何のテストなの?」
「それについては、今から説明します。このテストは、Earth Guard Team、略してEGTの適性を審査するためのものです。EGTの説明は後ほど致します。あなた方は、人間には、何らかの力を秘めています。その中でも、より強い者を集めるためのテストでした。それを通過したあなた方は、晴れてEGTのメンバーになったということです。ここまでで、何か質問はありませんか?」
守が聞く。
「他にもいっぱい人はいたはずなのに、どうして僕達が選ばれたんですか?」
もっともな疑問だ。
「一つは、高校一年生から選ぶ、という決まりがあるからです。もう一つは、今は言うことは出来ません」
劉賢が食い下がる。
「言われへんってどういうことや!決まりってなんやねん!」
「決まりは決まりです。どうしても知りたいなら自分達で考えて下さい。他にはありませんか?」
俺が手を上げる。
「あの~、最後ふと浮かんだ言葉を叫んだら、俺の体が勝手に動いたんだけど、あれって何なの?」
男が、
「あっそれについての説明を忘れていましたね。ここにいる方の内何人かは、戦闘中に体が勝手に動いたりする現象があったと思います。あれは、皆さんに秘められている能力の一つです。私達は、それらを総称して、
スキルと呼んでいます。スキルは、戦闘中に閃くこともあれば、感情が高ぶった時に発動する時もあります。スキルは、第三チームの麗奈さんが先ほどの戦闘で発動した様な遠距離方と、忍君が発動した様な近接方の2種類あります。まあスキルは覚えようとして覚えれるものでもないので、気長に待ってて下さい。他にありませんか?」
皆が無言だったので、男は続けた。
「それでは本題に入りましょう。EGTとは、その名の通り、地球を守護する事を目的とした組織です。現在この地球には、未知の敵に侵略されています。私達はその敵を、アグレッサーと呼んでいます。アグレッサーは数十年前に突如現れ、人間を襲い、殺戮の限りを尽くすモンスターです。アグレッサーは今までの例では、全てが地球には存在しない、異形の姿をしています。そして、アグレッサーに対抗する為に、世界政府が秘密裏に立ち上げた組織がEGTです。それ以降毎年今回の様なテストをし、アグレッサーと戦ってきました。そして、今回合格した皆さんには、アグレッサーとの戦闘に参加していただくことになります。説明はこんなところです」
男が話し終えると、皆がそわそわしだした。いきなりのことに困惑しているのだ。すると、美玲が声を上げた。
「今までもアグレッサーとは戦って来たんでしょ?でも私達そんな怪物に地球が襲われてるなんて聞いたこともなかったわよ?これはどう言うこと?」
もっともな疑問だ。
「それは、政府が裏で手を回したり、目撃者には少々記憶を操作させてもらってます」
(そんなのありかよ)
そう思っていると、男が言った。
「それでは、本部へ移動しましょう」
そう言うと、男は消えてしまった。
するとまた、おなじみの感覚がやってきた。