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EGT  作者: Shiyo
プロローグ
2/10

ここはどこだ?

俺は桜井忍(さくらいしのぶ)。今日から高校一年生、のはずだったんだけど。

今はどこかの部屋にいる。一つの大きなモニターだけという殺風景な部屋だ。周りには同年代と思われる男女がいた。俺もいれて25人くらいだろうか。誰もがここがどこか分からずざわついている。すると、部屋にあったモニターがついた。

皆が一斉に注目する。モニターにはサングラスをした男がうつっていた。

「皆さん、ようこそ。突然ですが、今から皆さんには、5つのチームに分かれて、あるテストを受けてもらいます。」

男がそこまで言った時に、学生も一人が言った

「ちょっと待て!ここはどこなんや?急に連れてきてテストってなんや!」

(すごい関西弁だなー)

そう思っていると、男が、

「皆さんには昨日の時点で何らかの方法でお伝えしたんですがね。」

そういわれれば、昨日、[おめでとう!あなたは人類の敵と戦う戦士として選ばれました!明日、招集をかけますので、そのつもりで!]

などというメールがきていた。

いたずらメールだろうと無視していたが、あれの事か。

他の皆も心当たりがあるようだった。

男が続ける、

「それでは今からメンバーを発表しますので1~5のグループごとに左から集まって下さい」

そう言って、第一チームからメンバーの発表を始めた。第三チームに入った時に、俺の名前が呼ばれた。

「第三チームは、桜井忍、海崎守(かいざきまもる)飛騨劉賢(ひだりゅうけん)松木麗奈(まつきれいな)陣内美玲(じんないみれい)、以上の5人だ」

言われた通りの場所へ行くと、他の四人が揃っていた。そこにはさっきの関西弁の奴もいた。各チームのメンバー発表が終わり、男が続ける、

「では今から皆さんをテスト会場に移動させますので、詳しくはそちらで」

(移動ってったってどうやってしろって言うんだ?扉もないのに)

そう思っていると、体がふわっと浮き上がるようなかんじがしたとたん、目の前が真っ白になった。


視界が戻ると、俺は、小さな部屋にいた。

周りには何もない小さな部屋だ。

すると、頭の中に声が聞こえた。

[汝に問う。汝にとって戦に必要なものは何ぞや?]

俺は驚きつつも、声の問いに答える、

(戦ってことは、バトルとかってことか。

そりゃーゲームでバトルと言えば剣と魔法でしょ)

「えーと、俺は剣と魔法が必要だと思いまーす」

声からの返事はない。

(あれ、こういうことじゃないってことか?)

俺が焦っていると、声が答えた。

[汝の望みしかと聞き受けた。そのドアから出るがよい]

すると、部屋の壁にドアが現れた。

(もう、ちょっとやそっとじゃ驚かないぞ)

そう思いながら、ドアをくぐる。

そこには同じグループの四人がいた。

また男の声がした。

「えー、では、先ほどの質問を元に、皆さんに武器と能力を与えます」

そういうと、俺の目の前に一本の剣があらわれた。他のみんなの前にも様々な武器があらわれていた。

「それが、皆さんに与えられる武器です。能力はおいおい分かっていくと思うので。

それでは今からテストを始めます。準備をしっかりしてから、ドアの外に出てください。

それでは、幸運を祈ります」

そう言って男の声は消えた。皆困惑していた。俺が声をかける。

「えーっとさ、とりあえず自己紹介しない?

一応俺らチームらしいし」

皆が頷いてくれた。

「じゃあ俺から。俺の名前は桜井忍。15歳です。えーと、出て来た武器はこの剣です。気軽に忍って呼んで下さい。そんなとこかな。」

次に関西弁の男が話した。

「俺の名前は飛騨劉賢。俺も15歳。武器は、この鉄のグローブや。呼び方は、好きにせえ。以上。」

次は、メガネをかけたインテリ風の男が話した。

「僕の名前は海崎守。15歳です。武器はこの銃です。僕も下の名前で呼んでくれていいよ」

次は勝気そうなポニーテールの女の子だ。

「私の名前は陣内美玲。15です。武器はこの日本刀です。私も下の名前でいいよ」

最後は、気弱そうなメガネの女の子だ。

「わ、私の名前は松木麗奈です。私も15歳、です。ぶ、武器はこの杖です。名前は好きに呼んでください」

一通り自己紹介が終わったので、俺が言う。

「じゃあ各自好きな名前で呼ぶって事でいいかな?」

皆異論はないようだ。ここで、守が話した。

「みんなもここにくる前の質問には答えたのかな?もしよかったら、何て答えたか教えてくれないかな?」

俺が答える。

「じゃあまずは俺から。戦に必要なものは?って聞かれたから、剣と魔法って答えた」

続いて美玲。

「私は武士道精神と、逆境に耐え抜く心、だったかな?」

麗奈は、

「わ、私は皆を守れる力がほしいって言ったよ」

守は、

「僕は安全かつ確実に敵を仕留める技術って言ったよ。劉賢君は?」

聞かれた劉賢は、

「俺は言わへん。別にお前らに言う必要もない」

(何だこいつは?何か隠してるのか?)

守は、

「別にいいよ。聞いた限りではそれぞれの答えによって各自に武器が与えられるみたいだね」

(見た目通りのインテリタイプだな)

そんなことを思ってると、

「じゃあそろそろ外に出ようか。」

そう言って守は部屋から出て行った。

それに続いて皆も出て行ったので、俺は最後に部屋をでた。


部屋をでると、そこは西洋のコロシアムのようなつくりだった。

皆がいる方に近づいていくと、

「気をつけて!」

守が叫んだ。

何事かと辺りを見回すと、目の前に壁があった。

否、それは壁ではなかった。

[それ]は、ゲームで出てくるミノタウロスのような姿だった。

そして、その化け物は、今まさに俺達に巨大な斧を振り下ろすところだった。

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