救いかどうかもわからない
あっ。
と、気づいて声を出そうとした。
けれど、声は出なかった。
理由などわかりきっている。
さもしく気づかぬふりをしていたけれど、ちゃんと私は覚えていたから。
自分を騙すのは中々にむつかしい。
「死ねないや」
わかりやすく声に出す。
これは現状の確認だけ。
同時に欲求を抑えるものでもある。
だって、本当に死にたいなら包丁を首に当てれば良いのだから。
手首じゃダメ。
ただのかまってちゃんにしかならない。
本気でやるなら首を狙う。
なんとなく、それがきっと正しいのだろうと思う。
素人考えだけれど。
まだ明るい時間に電気を消す。
布団に潜り込んで目を閉じる。
こうしていればその内に眠れる。
アラームは今日と同じ時間にする。
目が覚めたら死んでいることを期待しているのに。
目が覚めたらって。
馬鹿みたい。
死人は目が覚めないから死人なのに。
結局、死にたいのに、頭は冷静に理解しているんだ。
どうせ死ねないって。
心の中で苦笑いする自分を浮かべる。
カッコよく、皮肉的に笑えているけれど、それは全部空想で本物の私は目を閉じているだけ。
どうせなら、幸せなことを考えればよいのに。
だって、妄想なんだから。
「捨てなきゃ良かったな」
睡眠薬。
せっかく何ヶ月も貯めていたのに。
本心からそう思いながら、私はじっと目を閉じる。
過去の自分が馬鹿だったおかげで私は今日も生きている。
そんな休日のこと。
お読みいただきありがとうございました。
私が定期的に書いていますうつ病の話ですが、何故書いているのかは正直自分でもわかりません。
ただまぁ、誰もが幸せになれたらよいなと思います。




