【設定資料】LSL(脊髄同調リンク)と K-LSL
LSLは、 アストレイア社が純正LSLを元に試作した「極限仕様」の神経直結システムです。
純正LSL:
「第三世代RFを成立させるための、安全域を残した直結システム」
K-LSL:
「性能を上げるために、安全域をほぼ捨てた暴走ぎみの仕様」
その危険性の高さから、正式採用した組織はヘルマーチのみとされている。
● 開発の経緯
アストレイア社内部の「高速化特別班」と呼ばれるグループが、
純正LSLの延長線上で実験的に開発した。
彼らは、「人間側の限界を外せば、RFはもっと先へ行ける」という思想を持っており、軍需規格、安全基準、倫理審査、といった枠組みをほぼ無視して、「性能の上限」を探ることだけを目的に進めた結果、生まれたのがK-LSLである。
● K-LSLの仕様(純正LSLとの違い)
主な違いは、以下のような「安全装置の削除/反転」です。
・安全減衰回路の撤廃
過負荷時の信号カットがなく、常に全開で信号が流れ続ける。
・神経フィードバック抑制の解除
パイロットの痛み・恐怖・怒りが、そのまま機体側に強く伝わる。
感情ごと増幅された状態で攻撃に出ることがある。
・行動予測AIの「攻撃優先」化
回避よりも反撃や接近戦を優先するよう調整されている。
・反射領域の増幅
脊髄反射を強く拡張し、「考える前に身体が動き、そのまま機体も動く」状態を作り出す。
その結果、 従来の第三世代RFでは出せなかった異常な反応速度と攻撃性を引き出せるが、 同時にパイロットへの負荷も極端に高くなる。
● 危険性と副作用
K-LSLには、純正LSLにはない深刻なリスクがある。
・急性の神経疲労・視床(感覚中枢)の損傷
・数分〜十数分の連続戦闘で症状が出ることがある。
・意識の混濁・反射過多
機体の動きがパイロットの思考を追い越し、「止まりたいのに止まれない」状態に陥る。
・攻撃行動の暴走
「恐怖」そのものを脅威として認識し、 自動的に体当たり・突進などの行動に移る例が報告されている。
・機体側ユニットの焼損
高負荷のせいで、制御ユニットが物理的に焼ける事例もある。
こうした事情から、多くの軍・企業はK-LSLの正式採用を拒否し、 アストレイア社自身も「純正ラインから外れた実験技術」として扱っている。
● ヘルマーチによる唯一の運用
傭兵組織ヘルマーチだけは、この危険な仕様を理解したうえで採用している。
ヘルマーチ側の基本姿勢は、
「身体が壊れても、勝てばいい」
「限界の先でしか見えない戦場がある」
というもので、K-LSLの思想と非常に相性がいい。
ヘルマーチ独自の訓練プログラム、専用の補機体制(予備パイロット/医療班)などを整えることで、「使えるところまで使い倒す」方針を取っている。
アストレイア側から見れば、 ヘルマーチは「危険技術の運用データを取れる唯一の現場」であり、 両者のあいだには、表に出ない協力関係がある。
● 業界での評価
K-LSLは軍需業界からは、
「倫理を無視した狂気の技術」
「パイロットを消耗品と見なした設計」
として厳しく批判されている。
一方で、一部の技術者や傭兵からは、
「第三世代RFの“本来の姿”に近い」
「戦場だけを見れば、理にかなっている」
と評価されることもある。
物語の中では、
「ヘルマーチ専用の危険な足回り」
「常人には扱えないが、戦場だけ見れば最強クラス」
といった位置づけで扱うことを想定している。




