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命の灯  作者: 坂上きつね
第一章ー--坂下ー--
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新しい朝3

 子猫は満足したのかにゃあにゃあと玄関の入口で鳴き始めた。彼が玄関を開けると子猫はまた外へ旅立った。

 彼はまた部屋でひとりきりになった。


 夕飯の時間になった。彼は階下に降りて食堂となっている部屋を訪ねた。中から管理人が出できた。ごはんの準備できてるわよ、と彼女は言った。彼は中へ上がった。

 二階の彼の部屋と変わらないワンルームの部屋。テーブルの上には彼の食事が綺麗に一人前置いてあった。

 管理人が言う。

 「みそ汁と白米は自炊だけど、おかずは湯せんのものよ」

 彼はいただきますをしてごはんを食べはじめた。

 「どう、おいしい?」

 「はい、申し分ないです」

 「そう。よかったわ」

 彼は空腹だったのであっという間に完食した。

 「ごはんおかわりする?」

 「いいんですか」

 「一杯までね。あとお味噌汁もいいわよ」

 「いただきます」

 彼女はおかわりを持ってきた。彼は完食した。

 「グループホームの生活も退屈でしょ」

 「まあ、退屈ですね」

 「少し外へ出るといいわよ。隣駅に銭湯があるわ。サウナは好き?」

 「好きです」

 「私もたまに行くのよ。あそこはいいところだわ」

 「行ってみます」

 彼は彼女におやすみなさいを言って部屋を後にした。

 階段を上がると子猫がドアの前で待っていた。子猫の足元にはモグラの赤ちゃんが死んでいた。

 「捧げものとはわかってるじゃないか。だけどいいか?僕はモグラの赤ちゃんは食べないんだ」

 子猫はにゃあと鳴いた。モグラの赤ちゃんを二階から放り投げ、彼はドアを開けた。子猫も一緒に入ってきた。

 子猫は身体が汚れていたので、濡れタオルで拭いてやった。拭き終わると子猫はベットへもぐりこんだ。一人と一匹は一緒の布団で夜を明かした。

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