夢3
やがてマキは城の前に到着した。城の入口では身体のでかい、これまた鎧を着た白黒の猫がビシッと立っていた。
「団長、人間のお方が来られました」
「ん、わかった。王の元へは私が案内する。ご苦労だったな」
マキは団長と呼ばれた猫に挨拶する。
「あの~、こんにちは。マキと言います」
「私は名をサクラと言う。騎士団長をやっている。貴殿とは昼間に会ったな」
白黒の猫...。あ!お餅さんの足元にいた猫だ!
「昼間、お餅さんの足元にいた猫ですか?」
「いかにも」
「本当に騎士団長だったんだ」
「貴殿が驚くのも無理はない。にゃんにゃん王国は特別な場所だ」
「特別,,,。どう特別なんですか?」
「まあ、王様にあってみればわかる。話はそれからでも遅くないだろう」
「はぁ」
サクラ団長はキビキビとした歩調で歩き出した。マキの後ろを二匹の騎士猫が囲うようについてくる。
もう後戻りはできないという意味だろう。
マキにはいくつか気になったことがあった。サクラに聞いてみることにした。
「ねえ、サクラ。どうして日本語が喋れるの?」
サクラは鎧をガチャリと言わせて、マキの方を振り返った。
「ここが特別な場所だからだ。ここは夢でも現実でもない狭間にある場所。ある条件を満たすと人間は入ってくることができる。それにしても貴殿は運がいい。もうすぐこの国では祭りが行われる。いい時期に来たな。人間のお方」
「ここは夢でしょ?」
「半分あっていって、半分間違っている。この国に来たということは。おおよそ貴殿は人生に迷われているのだろう。ここは迷いを解消するための場所だ」
「はぁ」
横目では下働きに見える、猫たちがせっせと洗濯物をしていた。洗い場は下手な銭湯よりも大きい。
「あの洗濯をしている猫たちは何なんですか?」
「あれは給仕猫だ。この城に仕えて仕事をして給料をもらっている」
「つまり、この国には通貨が存在しているってこと?」
「その通りだ。これがその通貨だ」そう言ってサクラは懐から硬貨を取り出した。真ん中に子供が描いたような猫の顔のマーク。その周りを円を描くようににゃんにゃん王国と書いてある。
「子供の落書きみたい」
「この硬貨は王が作られたものだ。絵はあまり上手ではないが、我々はこの硬貨を使って物を買う」
目の前から上品な白猫が現れた。サクラに何やら話しかけている。
「こんにちは、サクラの母のハクと申します。この国では王様の身の回りのお世話を担当しています。
「母さん、あとは頼みました」
「サクラ、今日もお仕事頑張ってね」
「ありがとうございます」




