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命の灯  作者: 坂上きつね
第二章ー--マキー--
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遡及2

 ナースステーションの前には、坂下と一宮が二人で喋っていた。

 坂下さんは執筆活動をしてるって聞いたけど、どんな小説を書いているのか彼女は気になった。

 「ねえ、坂下さん」

 「なに?」

 「坂下さんってどんなジャンルの小説書いてるの?」

 「どんなジャンルでも書くよ。でも僕は古典文学が好きだから、文学寄りの作品になっちゃうね」

 「へえ~」

 「俺も坂下さんの小説読んでみたいです」そう一宮が言った。

 「俺も興味あるっす。同じクリエイターとして参考にしたいっす」

 「私は興味ないな。そんなことよりさ、これ都市伝説なんだけど、政権野党が与党になった時ってさ、自然災害が起こるっていう都市伝説があるんだよ。阪神淡路のときとか東日本の時って野党が与党になった時なんだよ。これって、世界の裏で誰かが人工地震起こしてると思わない?」

 「古沢さん、また都市伝説っすかぁ。本当好きっすね~」

 「まあ、あくまで都市伝説だよ。確証はない」

 「ただその説はなかなか面白いですね」そう一宮が言った。「偶然にしちゃ出来すぎてる」

 五人は散歩ボードに自分の名前、上下の服の色と、スマホ貸出に丸をつけた。坂下、一宮、杉原、古沢はライター貸出に丸をつけた。

 やがて、看護師がナースステーションから出てくる。今日はイケメンで身長183センチくらいある、成宮という男性の看護師だった。成宮はチラッとマキの顔を見た。

 彼女は背筋に嫌な汗が走った。成宮さん、私16歳なのに女として見てない、、、?

 彼女は綺麗な顔立ちをしているから、高校でも異性からそういう目で見られたことは何度もある。成宮さんはたしか46歳だから、私なんて子供に見えるはずなのにどうしてだろう。

 彼女は勘が鋭い方だと自分では思っていた。やはりこの視線は、、、。

 いやいや、そんなはずはない。でも男って狼だからな、、、。彼女はそれ以上深く考えるのをやめた。

 二重扉の前で成宮が一つの扉の鍵を開けた。散歩ボードの名前を上から順に呼んでいき、呼ばれた人は返事をして一重の扉を通っていいというシステムだった。

 やがて、全員の名前が呼ばれた。成宮は「30分までだよ。一分でも遅刻した人は明日以降散歩無しね」と釘を刺した。

 なんて窮屈な生活だろう、と彼女は思った。

 やがて、患者は閉鎖病棟から解放された。みんなで三台並んだ自販機の前に行く。

 坂下はコーラを買い、杉原はブラックコーヒー、一宮と古沢は微糖コーヒー、彼女は桃のジュースを買った。

 五人はボロボロ小屋の喫煙所に向かった。

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