38/46
歪み
マキは布団で目が覚めた。最初に考えたことはホテルの屋上から飛び降りて彼女の下敷きになった古沢のことだった。
四散した古沢の肉片。あの光景は彼女の脳裏に焼き付いていた。
ピロンと彼女のスマホが鳴った。
彼女は急いでスマホを確認する。
古沢からのメッセージだった。おはよう、と来ていた。
彼女は古沢に電話をかけた。古沢はすぐに出た。
「おはよう」
「大丈夫!?」
「ん、どうしたのさ」
「あれ?どういうこと?」
「寝ぼけてるね、お嬢さん」
え?夢だった、、、?
彼女は現実を受け入れ、安堵した。古沢は死んでいない。
ピロン、また彼女のスマホが鳴った。
「ごめん、切るね!」
「はいはい」
彼女は通話を切った。スマホを確認すると杉原からだった。
「退院おめでとう!」と、メッセージが来ていた。
え?杉原さん死んでないの!?あの事故はどうなったの!?
彼女の脳内はぐるぐる回った。そして、諦めた。これが夢オチだぁ!
な~んだ、みんな生きてるのかぁ。彼女は書き換えられた現実を受け入れた。




