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プロローグー-ーつむぐー--
つむぐが窓の外を眺めた。辺りは日が沈むころだった。太陽が山に沈んでいく。
つむぐは今日はいい日だと思った。抗がん剤の副作用で自慢の髪は抜け落ちていた。
でもいいんだ。
つむぐはプルーストの失われた時を求めてのページをめくった。
真っ白の何もない病室。家族は頻繁に見舞いに来てくれるが、私にはもう時間がない。
子宮がんのステージ4。余命宣告された。残された時間は少ない。
つむぐはもう多くを望まない。
ただ、一つだけ叶うならば。
坂下くんにもう一度会いたい。




