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余韻3
「お待たせしました」
「お疲れ様です。大勝利でしたね、今日は」
「いえいえ、そんなんじゃないですよ。あれは神さまのいたずらだと思ってます」
「あ、坂下さん、そういえば」
「?」
「ウチにも猫来ましたよ。黒猫なんです」
「この辺、やたら猫多いですよね」
「ちょっと待っててください」
一宮は部屋へ戻った。すぐに出てくる。一宮の後をついてきたのは、お嬢の三倍くらいの大きさの黒猫だった。黒猫は坂下の足元へやってきてスリスリした。
「名前はなんて言うんですか?」
「お嬢って言います。ある少女がつけてくれました」
まさか。
いやそんなはずはない。
坂下の脳裏には一人の少女が浮かんでいた。




