表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命の灯  作者: 坂上きつね
第一章ー--坂下ー--
29/45

余韻2

 「そうだ、旅行に行かない?」

 「旅行?」

 「日帰りでさ。電車で行けるとこまで行くんだ」

 「面白そう」

 「明後日の土曜日とかどう?」

 「お嬢は連れてくの」

 「さすがに連れていけないかな」

 お嬢はウィンストンの煙にパンチし始めた。飛んで、空中で煙にパンチ。煙くないのだろうか。

 「明後日なら大丈夫」

 「よし、決まりだ」

 彼は少しずつ社会へとの接点を持ち始めていた。少しは病気がよくなってきたのかもしれない。

 とてもいい兆候だった。発病後2,3年は実家に閉じこもっていた。それが今では友人を旅行に誘うまでになったのだ。

 彼のスマホが鳴った。電話に出ると一宮だった。

 「坂下さん、今から、今日の祝勝会しませんか? 坂下さんが好きって言ってた梅サワー買ってきましたよ」

 「いいですね祝勝会。今行きます」

 「では、グループホームの駐車場で待ってます」

 「わかりました」

 彼は電話を切った。そうだ、今日は彼がジャグラーにハマった記念すべき日なのだ。

 「お餅。ごめんけど、今日はもう帰ってもらえるかな。大切な友人と打ち上げなんだ」

 「わかった。じゃあまた明後日」

 「うん。明後日、新大久保駅に8時集合で」

 「わかった」

 お餅は扉から外へ出て行った。お嬢はにゃあにゃあと鳴いた。よく考えるとお餅とお嬢ってどこか似ているようなー-マイペースなところとかー-なんてことを考えながら、彼はお嬢の頭を撫でた。お嬢はにゃあと鳴いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ