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命の灯  作者: 坂上きつね
第一章ー--坂下ー--
22/47

再会5

 「溶岩室だってさ。行ってみる?」

 「行く」

 二人は五分ほど冷却室でチルした後、扉の外へ出た。溶岩室の前には30人くらいの行列が並んでいた。

 「急いで並ぼう」

 「うん」

 列の最後尾に並んだ。前に30人もいたんじゃ、入場制限を食らうことになるかもしれない。

 「これ、溶岩室いっぱいになっちゃうね」

 「大丈夫」

 やがて、溶岩室のアロマロウリュの時間、13時になった。スタッフ二人が客に声掛けをし、一人一人、溶岩室の中に吸い込まれていく。片方のスタッフは客の数をカウントしている。

 彼らの順番が来た。スタッフはどうぞ、と言って彼らを溶岩室の中へ入れた。室内はかなり高温で温度計は60℃を超えていた。

 どうやら溶岩室は客が寝転がるのではなく座って岩盤浴を体験するみたいだ。コの字に階段状になっていて、下から上まで四段あり、上段は埋まってしまっていたので、一列目に腰掛ける。

 先ほど、身体を冷やしたばかりだというのに彼の額からは汗が滲んだ。40人ほど入ったところで溶岩室の扉は閉められ、二人の男性スタッフが中央左右に立った。

 「えー、皆さま、本日は溶岩室にお越しいただきありがとうございます。岩盤浴をしていて体調の悪くなったお客様は直ちにご退室いただくようお願いします」

 やがて、男性スタッフ二人は一旦溶岩室から出て行った。中央の巨大モニターが映し出された。未知の灼熱体験を。ご高齢の方、妊娠中のお客様は気分を悪くする危険性があるので、無理をせず溶岩室をお楽しみください。これより溶岩室はロウリュによって高温に熱せられ、発汗作用、血液促進作用が及ぼされます、どうか無理のない範囲でお楽しみください。

 二分ほどそんな映像が映し出された。やがて、男性スタッフ二名がバケツいっぱいに入ったアロマロウリュを持ってきた。

 「えー、これからアロマロウリュを行います。室内は高温に熱せられますので限界と感じられた方は正面の出口からご退室願いします。ロウリュ後、団扇で皆さまを、掛け声と共に扇ぎますので一緒に掛け声の方をよろしくお願いします」

 男性スタッフはバケツからアロマロウリュを掬いだし、えいや!と掛け声をかけて、中央部の巨大な石の塊に液体をかけた。石はジュゥゥゥ!っと煙を上げ、室内は一気に高温に熱せられた。男性スタッフは、エイヤーサーサー!と掛け声と共に一人一人を団扇で扇いでいく。

 彼は団扇で扇がれると、とてつもない高温の熱風に包まれた。全身の穴という穴から汗が噴き出している。気が付くと、彼の腕は汗まみれになって大量の汗のつぶつぶがたくさんあった。横を見てみると、暗い室内ながらお餅は上気した顔で汗を滝のように流していた。

 また、その姿は美しかった。まるで映画のワンシーンのようだった。

 彼は全身汗まみれになって意識が朦朧としてきた。お餅の太ももにタッチして合図を送る。

 「もう限界だ」

 「あら、情けないのね。仕方ないわ出ましょう」

 二人は溶岩室を出た。

最近、散歩を五年ぶりに再会しました。おれも病気前の習慣が取り戻せて嬉しいです。

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