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命の灯  作者: 坂上きつね
第一章ー--坂下ー--
13/46

銭湯にて6

 彼は若い大学生の、床に広がる血の光景が頭から離れなかった。気分を変えたいと思い、喫煙所へ向かった。扉を開けるとお餅がひとりちょこんと座って煙草をふかしていた。

 「早い」

 「ああ、ちょっとサウナに入る気分じゃなくなったんでね。君は?」

 「女性サウナ、おばあさんがいっぱいで入れなかった」

 彼はおばあさんでいっぱいのサウナを想像してみた。生産性の無い老人たちが額に汗して高温に耐えてる姿。きっと室内はお香の匂いが充満しているに違いない。先に逝ってしまった夫たち。

 「湯船は? 入らなかったの?」

 「湯船もおばあさんでいっぱいだった」

 「そりゃどうしようもない」

 「救急車」

 「ああ、男性風呂で男が転んでね」

 「たすかる?」

 「それは救急隊の腕次第かな」

 彼女は煙草を大きく吸い込んで肺に入れ、そして吐き出した。彼もウィンストンに火を付ける。

 「子猫の名前は」

 「名前? そういやまだ決めてなかったな」

 「見てみたい」

 「ウチに来るってこと?」

 「うん」

 「かまわないけど」

 彼女は手を差し出してきた。吸いかけの煙草をよこせという意味だろう。彼は一口吸った煙草を手渡すと、彼女はウィンストンを吸った。

 「ニコチンキツい」

 「そりゃあ5ミリの人が12ミリを吸ったらキツいだろうね」

 「間接キス」

 「約束は結ばれたってわけね」

 彼女は煙草を返してきた。彼は彼女が口を付けた煙草を一口吸ったが、イチゴの風味がした。

歯が痛いです。

なんとか治療してもらわねば。

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