銭湯にて4
彼女は細見で色白、身長は160センチあるかないか、腰まで伸びた綺麗な髪が特徴的だった。端正な顔立ちをしている。
「ああ、猫だよ。子猫が家に上がり込んできてさ」
「白猫?」
「そうだよ」
「私お餅って言うの」
「お餅? それが君の名前?」
彼女は上品に髪をかき上げた。「うん」と彼女は言った。
彼も煙草を取り出した。
「ウィンストン。12ミリのやつ」彼女はまた唐突に言葉を紡いだ。
「うん。ウィンストンの12ミリ」
「私、キャメルメンソールの5ミリ」そう言って彼女は緑の箱を見せてきた。
彼は反応に困ってしまった。でも会話が始まったからには何か言わなくては。
「近くの大学の学生?」なんとか彼は話題を振ってみた。
「うん。そこの大学の三年生」
彼女はとても21歳には見えなかった。14歳と言われても信じる人はいただろう。
「大学は行かなくていいの?」
「友達いないから」彼女は困り顔をした。あまり深く立ち入っていい話題ではないのだろう。
煙草の灰が無くなった。彼は灰皿に煙草を落とした。
「僕はそろそろサウナに行くから」
「私ももう一セット行く」
彼は喫煙所を出た。彼女も一緒に外へ出た。それぞれ別の入口に向かう。彼女とはここでお別れだ。
彼は脱衣所で服を脱いだ。不思議な少女だったな。
彼はサウナへ向かった。




