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命の灯  作者: 坂上きつね
第一章ー--坂下ー--
11/46

銭湯にて4

 彼女は細見で色白、身長は160センチあるかないか、腰まで伸びた綺麗な髪が特徴的だった。端正な顔立ちをしている。

 「ああ、猫だよ。子猫が家に上がり込んできてさ」

 「白猫?」

 「そうだよ」

 「私お餅って言うの」

 「お餅? それが君の名前?」

 彼女は上品に髪をかき上げた。「うん」と彼女は言った。

 彼も煙草を取り出した。

 「ウィンストン。12ミリのやつ」彼女はまた唐突に言葉を紡いだ。

 「うん。ウィンストンの12ミリ」

 「私、キャメルメンソールの5ミリ」そう言って彼女は緑の箱を見せてきた。

 彼は反応に困ってしまった。でも会話が始まったからには何か言わなくては。

 「近くの大学の学生?」なんとか彼は話題を振ってみた。

 「うん。そこの大学の三年生」

 彼女はとても21歳には見えなかった。14歳と言われても信じる人はいただろう。

 「大学は行かなくていいの?」

 「友達いないから」彼女は困り顔をした。あまり深く立ち入っていい話題ではないのだろう。

 煙草の灰が無くなった。彼は灰皿に煙草を落とした。

 「僕はそろそろサウナに行くから」

 「私ももう一セット行く」

 彼は喫煙所を出た。彼女も一緒に外へ出た。それぞれ別の入口に向かう。彼女とはここでお別れだ。

 彼は脱衣所で服を脱いだ。不思議な少女だったな。

 彼はサウナへ向かった。

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