表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔導書を拾う  作者: kjms
51/54

51. 消えたキョウスケ

ゲームセンターから戻ってきたキョウスケの表情は、どこかスッキリとしていた。

その様子を見て、他の三人は口には出さなかったものの、「ゲーム中毒者め」だの「よほど楽しんできたんだな」といった呆れ混じりの感想を抱いていた。


再び合流した四人。

十分に休息は取ったということで、一行は次の目的地へと移動を開始した。


二番目の場所に到着したが、ここでも最初は順調だった。

すでに何度も繰り返してきた作業であり、実質的な進行はアヤノが担っている。

残りの三人は、ただその場に控えているだけでも、護衛としての役割は果たしていると言えた。


だが、キョウスケは今までとは違うアメリカ側の「違和感」を敏感に察知していた。


「おい、何かおかしくないか?」


彼は自分よりも探知能力に長けているアキに歩み寄り、声をかけた。


「何がだ?」

「あいつらの動きだよ」


キョウスケが顎で米軍の方を指し示す。

するとアキは、珍しいものを見るような目で彼を見返した。


「ふむ、遊びに呆けているのかと思っていたが……一応、仕事はしているようだな。お前の言う通りだ。以前ならアメリカの覚醒者たちは遠ざけられていたはずだが、今は姿を見せない程度の距離で、我々を包囲するように展開している」


現在、一行がいるのは建設現場のど真ん中だった。

周囲を囲むフェンスが視界を遮っているが、アキの言葉が正しければ、そのフェンスのすぐ向こう側に奴らが潜んでいることになる。


キョウスケは眉をひそめて言った。


「なんだ、気づいてたのか?」

「ああ」

「だったら教えてくれてもいいだろ」

「教えたところで何が変わる。かかってくるなら殺す、それだけだ」

「ちっ。相変わらずの性格だな」

「二人で何を面白そうに話しているんだ? 仲間外れにしないで、俺にも教えろよ」


ゲンドが茶化してきたが、キョウスケは「別に何でもない」と受け流した。

アキの言い草は癪に障るが、確かに知ったところで状況が変わるわけではない。何か不測の事態が起きても、ここにいるメンツなら対応できるはずだ。何より、起きてもいないことに過剰に反応して、余裕のない姿を見せたくはなかった。


しかし、「一人だけは、少し危ないかもしれない」と考え、キョウスケはアヤノの傍へと歩み寄った。

自分の隣に来たキョウスケをアヤノがちらりと一瞥したが、彼女は何も言わずに自分の作業を続けた。


残る対象はあと20人ほどになった時だろうか。

アヤノが額の汗を拭うのが目に入った。

と、同時に。

遠くで日光を反射してキラリと光る「何か」を、キョウスケは目撃した。


それは恐ろしい速度で飛来する。


「危な……っ!」


アヤノに向かって飛んできた「それ」を、キョウスケは手のひらで遮るように防いだ。

だが、次の瞬間。

キョウスケの姿はその場から消え失せ、あとに残されていたのは一個の「あんパン」だけだった。


「!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ