41. よく頑張ったあなた、旅に出よう
マサヒロから受けた任務が終わった。
思ったより長くかかって、いつ終わるのかと思っていたが、今日ようやく片が付くとは。
そしてシザーを探す過程で一緒に救出された人たちの内訳を見てみると、驚いたことに半分ほどが覚醒者だったそうだ。
「ううっ、うあああん……覚醒すれば良いことがあるんじゃなかったのかよ! こうなると分かってたら覚醒なんてしなかったのに。お母さん……ううっ……」
東京のこれほど多くの人口の中で、どうして半分を超える人数が覚醒者だったのだろうか。
被害者の話を聞いてみると、覚醒者ではあるものの、俺のような「天然物」ではないらしい。
アヤノに会って能力を得た、半人前の覚醒者だった。
半人前の覚醒者、というのは少し言い方がきつすぎるだろうか。
「どうしてこんな比率になったのか分かりませんね。半分も覚醒者だなんて、偶然で済ませるには無理があるでしょう?」
そう言われても、俺だって知らない。
なぜ生存者の半分もが覚醒者なのかを突き止めるのは、情報を処理する人間が調べて教えるべきことじゃないのか? そんなことまで俺に調べろと言われたら、頭が破裂してしまう……。
それでも少し考えてみると、おそらくモンスターが覚醒者に惹きつけられるように、彼らが正規の方法で覚醒した者でなかったとしても、モンスターを誘い寄せる何かが(彼らの中に)あったのだろうと推測できた。
正広隊長に報告しに行くと、どうやってやり遂げたんだと隊長も驚いていた。
「やってみたら、できました。」
そして、数日休ませてもらえないかと尋ねた。
「なぜだ?」
「羽を伸ばしに行こうと思いまして。」
「どこへ?」
「海です。今回、海に行ってみたらどうかって話が出たんですが、いいなと思いまして。」
「海か……いいだろう。人間は機械じゃない。休む時は休んでこそ、仕事の効率も上がる。良い選択だ。行ってこい。」
ヤッター!
生まれてこのかた一度も海に行ったことがなかったが、この機会に心ゆくまで遊んでこよう。




