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魔導書を拾う  作者: kjms
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17. 北海道の雪女

「玄堂さん!もっと早く移動できないんですか!」

「私も今これが最善なんだ!準備したところまで行けば、次からは早いから、君たちが頑張ってくれ!」


玄堂さんの能力で、私たちは体を半分だけ地面に出したまま、直接動くよりも速い速度で逃走している。

最初見たときはどうやるのかと尋ねたが、空間能力を使って地面を押し出す方法だと言っていた。


いや、今はそれが重要ではない。


今、私たちは人の痕跡が消えた北海道で、雪女に追われている状況。

玄堂さんの能力で、物体が引き伸ばされて水飴のように見えるほど高速で移動しているのに、雪女を振り切るには力不足だった。


「フンッ!」


レンは新しく交換した能力を使って雪女の攻撃を受け流した。


ドカン!


外れた攻撃が地面を叩きつけ、クレーターを作る。


レンは歯を食いしばり、絶え間なく降り注ぐ攻撃を防いだ。

オリジナルの能力ならもっと強力で反撃まで狙えたかもしれないが、今は攻撃を防ぐのが精一杯。

しかし、これすらなければ、ほとんど逃げられずに今頃氷の彫像になっていただろう。


雪女を相手に勝てなくても、逃げるには最適な組み合わせだった。

実際に経験してみて、シンイチロウがこの状況を予想して重力操作能力を贈ったという事実をレンは悟った。


ドゴーン!


玄堂さんの他にもう一人、一緒に来た者がいたが、いつだって例外はあるもので、戦力外の役に立たない人間がいた。


それがキョウスケだ。

雪女の能力が予想以上に強力で、火炎能力が通用しなかったのだ。

本人は時間さえあれば一撃を加える攻撃ができると言っていたが…攻撃するのに時間を待ってくれる敵がどこにいるのか、笑わせるなと言った。


レンは雪女の攻撃を防ぐのに必死で、後ろも振り返らずに言った。


「おい、もっと暖かくしろよ。」


キョウスケの能力で周囲の温度が上がる。

寒さが和らぎ、レンは体に熱がこもり、力が湧いてくるのを感じた。


「こいつ、頭がおかしいのか!終わってから覚えてろよ!」


終わってから覚えてろ、と言うやつが一番ろくでもないものだ。

むしろ覚えていてほしいとレンは思った。

無事に雪女から逃れられたという意味だから。


北海道まで来て三人が雪女に追われることになった経緯はこうだ。


「時が来た。私が指名する者と北海道に行け。」


シンイチロウの言葉に従って、これまで何度かの任務を遂行してきたレンは、ついに待ち望んだ時が来たことを知った。


そして、その推測を確信に変えるために口を開いた。


「今回の仕事を終えたら、ユイを治療してくれるんですか?」

「いくつかの些細な仕事が残っているが、最終的にはそうなるだろう。」


ユイ、ユイがついに目覚める!


あと一歩踏み出せば、ユイがベッドから起き上がる姿を見られるという希望に。

レンは北海道で何をすべきかを尋ねると、シンイチロウから想像もできない言葉を聞いた。


北海道にいる規格外モンスターを南下させるというのだ。


「それでは他の人たちは?」

「大丈夫だ。そちらは24時間監視している場所だからな。計画が成功すれば、政府が避難命令を出すだろう。一般の人々にとっては、津波を避けて避難所に移動するのと変わらないことだ。」


彼の言葉通りなら問題ないはずだが、相手はモンスター。

いくら準備したとしても、途中でどこへ跳ねるか分からないし。

失敗すれば、単に大変なことになったで済む問題ではなかった。


レンがシンイチロウから受けた任務は、雪女を定められた地点まで誘導することだった。

モンスターが特定の地域に留まることは稀だが、これまでに確認された事例は二つある。


一つ目は、環境がそのモンスターに適している場合。

二つ目は、一定地域で長年にわたって溜まった自然エネルギーが集まって作られる精髄を守るために留まる場合だった。


精髄は次世代エネルギーと呼ばれており、量も少ない上に扱いにくい。


雪女の場合は、一つ目と二つ目が混合したケースだ。

雪女の力と精髄が生まれるほどの地域的な気が加わって。

北海道を年中雪が降る、人間が住めない土地に変えてしまった。


そして今…規格外モンスターである雪女を福島市まで南下させるというのだから……


「日本のためになることに、私が安全装置を準備していないとでも思ったのか?各自が与えられた仕事をこなせば、何も問題はない。むしろ、今回のことの核心である君が動揺すれば、事が危険になる可能性があるから……」


しばらく言葉を止めたシンイチロウが、両手を上げてレンの肩に触れながら言った。


「今は、病床にいる君の妹のことだけを考えろ。」


その言葉に、レンもそれ以上何も言えなかった。


そうして、どこで手に入れたのか分からない赤い精髄の欠片を持って北海道に到着した後。

苦労して雪女の領域にあった精髄を奪ったことが、私たちが今雪女に追われることになった理由だった。


「もうすぐだ!あそこまで行けばいい。もう少し頑張ろう!」


玄堂さんの言葉通り、ここまで来ながら精髄の欠片を隠しておいた場所に近づいた。

それからしばらくして…隠しておいた精髄の欠片を拾い上げた玄堂さんが、精髄の欠片を消耗させながら、私たちは海を渡って青森県のどこかに移動してきた。

「うわー、死ぬかと思った。このままだと寿命が縮む。少し休んでいこう。」


雪女との追撃戦で無理をした玄堂さんが腰を伸ばしながら言った。


レンもその言葉に同意した。

死ぬ思いをしたなら、少し休んでもいいだろう。

命をかけた直後に息をつく暇も与えないとしたら、ブラック企業よりもひどいところではないか。


「おい!お前、さっき何て言ったんだ。もう一度言ってみろ!」


メラメラ。


キョウスケの手から黄色い炎が燃え上がった。

雪女に追われている時に言われた言葉に感情を害したようだ。


「最初から使えばよかったじゃないか。そしたら役に立ったのに。」

「そんな環境では使えないって言っただろう!」

「じゃあ、努力不足だな。努力しろよ、努力を。」

「くっ……!」


ドスン。


キョウスケが大きな岩に炎を投げつけると、岩は高速で溶け落ちた。

本人の能力のように性格は短気だが、ユマと似た性格なので、よく顔を合わせるうちにレンが扱いづらい性格ではなかった。


雨のように流れた汗が引いた頃。

玄堂さんが立ち上がりながら言った。


「出発しましょうか。今頃、残留エネルギーを追ってこちらに迫ってきているでしょう。わざわざ待って怒ったモンスターに会いたい人いますか?」

「いや。出発しよう。」

「行きましょう。」


玄堂さんが新しい精髄の欠片を取り出し、私たちは福島市に向かって南下した。

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