12. 昇天する竜
とんでもないことだが、オーガの移動を阻止すると言いながら、レオ助長は空を飛んでいた飛行機から飛び降りた。
こんなに高いところから素手で飛び降りて無事なのか心配になるが、彼なりの方法があるからこそそうした選択をしたのだろう。
彼を信じて、オーガを阻止するという前提のもと、急いで動く必要があった。
幸い、小型飛行場が遠くない場所にあったので、素早く着陸した。
「到着まで1分!」
該当地点にほぼ差し掛かった頃。
鈍い音が空気を伝って空中に響き渡った。
爆弾が破裂するような音が聞こえるが、その震源地が今どのような状況なのか、見当もつかなかった。
遠くにレオ助長とオーガが見える。
周囲の地面は爆撃でも受けたかのように、あちこちに穴が掘られていた。
互いが接近して攻撃を交わしているが、一見するとレオ助長が劣勢のように見えた。
「レオ助長ー!今、到着······」
私たちが援護に来たことを知らせるが、言葉が終わる前に彼の体がふらついた。
レオ助長が横に傾いた瞬間、オーガの拳は紙一重で横に逸れた。
ドカン!
「うわっ。」
神速の能力者が気を失ったレオ助長を現場から離脱させた。
意識を失ったせいか、彼の鋼鉄の身体能力は解けていた。
「安全な場所に連れて行って、目覚めるまで看病してやれ。」
「はい。」
神速能力者がレオ助長を背負って姿を消した。
私たちの声を聞いて安心しただけで意識を失うほど、彼は最善を尽くしてオーガを食い止めてくれたのだから、残りはここにいる者たちの役目だろう。
レオ助長が突然消えたことに怒っていたオーガは、私たちに視線を向けた。
頭があまり良くないように見えても、その出来事に私たちが関わっていることは少し考えればわかるだろう。
「事前に話していた通り、隊形を組む。」
二人も抜けて空席ができたが。
さすがマサヒロ隊長が選んだ者たちなのか。
誰が何も言わなくても、空席を感じさせないほどの隊形を組んだ。
私は防衛隊員たちの荷物にならないよう、マサヒロ隊長の後方に位置した。
元々私はここに加わるレベルではないのに、無理やり来たようなものなので戦力外だ。
オーガと防衛隊がぶつかった。
ドスン!
防衛隊員たちの有機的な攻撃により、奴の体には大きな傷が一つずつ刻まれていった。
A級のモンスターであっても、精鋭たちの攻撃は有効だ!
その後の攻撃も順調だった。
どんな堅固な城でも、ダメージが蓄積していけばいつかは陥落するものだと考えていた時。
プシュ!
奴の傷口が赤く熱を帯び、傷口が一瞬にして癒えていくではないか!
これって反則じゃないか?
一見して怪力能力者だと思える奴が、こんな回復力を持っているなんて?
一般的に人間やモンスターは一つの能力だけを開発していくと聞いていたのに…A級ほどの奴になるとサブ能力もあるようだ。
お茶を一杯飲む時間もかからない攻防の末。
隊長はこのままではいけないと思ったのか、計画を全面的に修正した。
「プランB。」
プランB。
最初の方法がドットダメージでじわじわと追い詰めるものだったとすれば。
今しようとしているのは、一度の強い攻撃で敵を制圧する方法だった。
聞いただけだったが、方法は知らなかった。
一人が後方に下がり、彼のために残りの者たちがわずかな時間を稼いだ。
後方に下がっていた男の体が縄のようにねじれ…
「よし!気をつけろ!」
パン。
弾丸のように素早く前方へ撃ち出されるではないか!
それと同時に土埃を巻き上げるトルネードが発生し、その威力がどれほどすさまじいものか推測できた。
しかし、異変に気づいたのは奴も同じだった。
奴は腕を上げて自然災害のような攻撃を阻止しようとした。
カカカカカ。
彼の攻撃により、オーガの腕は手から削り取られていったが。
最初の勢いはどこへやら、胴体まで粉砕しそうだった回転が弱まっていた。
グオオオオ!
ガクン。
「!」
オーガは両腕が半分も吹き飛んだにもかかわらず、肘で防衛隊員を捕らえ、大きく口を開いた。
神速能力者はレオを連れて安全な場所へ行った。あまりに一瞬の出来事だったので、誰も対応できないことが起こった。
上半身が消滅した隊員の下半身が地面に落ちたのだ。
ドサッ。
風一つなく静まり返った空間。
両腕を失ってもなお、捕食者のように意気揚々としたオーガ。
この瞬間、自らが捕食者であることを認識したのか、いつも以上に大きな声で咆哮した。
人間であれば倒れてもおかしくないほどの深刻な傷を負っているにもかかわらず、回復する気配すら見せていた。
まさに怪物だ。
まだ私たちが数的に有利な状況であるにもかかわらず、前線にいる隊員たちはオーガの野生に圧倒され、濃い敗北の色を帯びていた。
その時、マサヒロ隊長が剣の柄に手を当てて言った。
「私が始末する。下がれ。」
隊長の言葉に人々は急いでその場を避けた。
両足を斜めに開き、体を前傾させる。
ビリビリ。
隊長の体を包み込む稲妻。
いや、よく見ると稲妻ではなく。
紫と赤の糸が彼の体をつたい、剣に到達すると波のようにうねった。
「昇龍。」
ザシュッ。
クワァァァァ!
目で追うのも困難な速度の抜刀術の末。
二色の波が破壊的な威力を放ち。
オーガの上半身を通過し、後方の地形まで変えてしまった。
傾ぐマサヒロ隊長。
私は慌てて倒れそうになる隊長を支えようとするが。
遠ざかった距離に、彼を捕まえようと念力を使った。
すると私は稲妻に感電したかのような痺れる震えを感じた。
「フー…奴はどうなった?」
荒い息遣いが私にまで伝わってくる。
私はしばらく奴が回復する気配がないか確認し、言った。
「…死にました。」
塵になってしまっては、回復する能力もないようだ。




