9話
エルを撃破したゼロは道中の敵を倒しながら塔を登っていく
7割ほど登った所、ゼロは階段の途中で止まった
(この先に誰かいる...)
階段から顔を少し出してみると
部屋の中心に一人の男が立っていた
「あいつ...まさか」
ゼロは隠れることなく男に近づいた
「あんた...」
するとそこに立っていた男はニヤッと笑い顔を上げながら言った
「久しぶりだな、ゼロ」
「ト、トラーク!?」
ゼロの兄、次男のトラークだった
「どうしてここに!」
「俺はスタールと一緒に行動してただけだぜ?」
「一緒にって、あの時の爆発で死んだわけじゃなかったのか」
「あ~あの時か、なんで死んでないんだろうな」
「分かんないってか!」
「うん、さっぱりさ」
「...過去のことはまた聞くとして、なんでここにいる
スタールはどうしたんだ」
「俺はあいつに奴隷みたいに使われてるのさ」
「スタールが...?そんなことする奴だったか?」
「本来ならしないだろう、そういう性格じゃない」
「なら何故!」
トラークは怒りで震えているゼロの頭にそっと手を置く
「落ち着け、あいつは恐らく何者かに操られているんだろう」
「...それは分かる、スタールはそんな奴じゃない
ありえるとしたらそれくらいだろうな」
「俺は待ってたんだゼロ」
「え?」
「お前が来ることを」
「それってどういう...?」
「お前ならスタールを元に戻せる、必ずな」
「そのスタールは今どこに」
「気づいてたかもしれんがそもそもこの塔を作ったのはスタールだ」
「だろうな、あの結界を作れるのは今の世界じゃそういない」
「スタールは頂上にいるぜ、きっとお前が来るのを待ってるんだろう」
「そうか、なら早速行かないとな」
と、ゼロが歩き出したが
「まあ待て」
とトラークに止められた
「なんだ?まだ何か?」
「知ってたか?この塔は全てスタールが監視できる」
「そ、そうだったのか」
「ここで俺と敵として会ってるのも今見ている訳だ」
「つまり?」
「ここは形式上、戦わないとな!」
「やっぱ戦わないと駄目なのか」
「まぁそう言うなって!お前の今の強さ、俺も知りたいからさ」
「...しょうがない、やるか」
「本気で来いよ!手を抜いたら半殺しだぜー!」
「こえぇ、トラークならやりかねん、全力で行くぞ!」
こうして体術の天才との対決が幕を開けた...