51話
私は、強くなりたかった
姉さんみたいな、強い人になって、一緒に戦いたかった
とある夜、私はいつものように夜景を眺めていた
ふと、私の目の前に人が二人現れた
一人は当時討伐対象になっていた極悪人、そしてもう一人が...
スタールさん、その人だった
彼の戦い方はとても魅力的だった、相手の攻撃を華麗に避けながら色んな魔法を駆使して相手を追い詰めていた
私は彼のそんな強さに憧れた、私もそうなりたいと、強く思うようになった
それから数年、神の災害が起きた後、彼がいなくなったと聞き、私は必死で鍛錬を重ねた、姉さんに相手をしてもらいながら
姉さんは月日が経つにつれてどんどん成長していき好戦的な性格になった
そんな中私は一切成長せず、実力が離れていく姉さんを妬むようになっていった
これ以上姉さんを嫌いたくないと思った私は、姉さんと距離を置いて、近くの森へ逃げ込むようになった
ある日、森の中で出会ったのはそう、ゼロだった
数年ほど他の人に会う機会がなかった私はゼロと他愛もない話をして盛り上がっていた
そして、仲良くなったゼロを家に招いたときにゼロと姉さんが出会う
姉さんは私と手合わせが無くなって退屈していたみたいで、初対面のゼロに手合わせをお願いしていた
私は衝撃を受けた
成長していたと思っていた姉さんが、ゼロに軽く倒されていたのだから
その日から姉さんは、ゼロとの手合わせを経てまたさらに成長していった
ある日、姉さんはどこかへと姿を消してしまった、残った私を心配してくれたゼロは共に行動することが多くなっていった
それから私は強くなるため、ゼロに鍛えてもらっていた
教えてもらった魔法を辛うじて出せるようになったけど、成長はそれきりだった
もう私はその時点であきらめていた、私には無理なんだと、強くはなれないんだと、そう思っていた
それからはゼロと、そしてルイと、共に生きていくことだけを考えて過ごしてきた
これでいいんだ、私はそれでいいんだと、思っていたのに
姉さんと再会した時、苦戦していたゼロを見て、また思ってしまったの
私は、姉さんと、ゼロと、同じように強くなりたいと
強くなって、みんなと一緒に戦いたいと、そう強く願ってしまった
「強くなれるなら、私はどんなことでもやるわ」
私は...
「あなたと対等になれたよね...」
そうでしょう...?
ゼロ




