44話
最下層まで来た二人、最後の扉を開けると奥に一人の人物が見えた
「待っていましたよ...」
「そのニヤケ面はなんとかならないのか?」
「さて、なんのことやら」
アルスはゼロに近づき指さす
「ここまでこれたのは褒めてあげます」
「いらない言葉だ」
「では次に引き返してこの地下からおかえりください」
「どういう意味だ」
「そのままの意味ですよ、これ以上ここにいても仕方ありません」
「敵を目の前にして帰れと?」
「そうです」
「本気にすると思ってんのか」
「するしかありませんよ」
「ふざけるな!」
ゼロはアルスに向かって攻撃するが
「...!いない...?」
「では言葉を変えましょう」
「はっ!」
アルスはゼロの背後に回っていた
「今のあなたでは私に勝てません...」
「...」
「私から見てあなたの言う『敵』に値しません、ですので、あなたのためにもお引き取りを...」
「断る...!」
「はぁ、仕方ありませんね、従わない子には...」
アルスは戦闘態勢に入る
「お仕置きです...!」
ゼロはアルスに接近し攻撃を与えるが、その拳は空気をなぞる
「当たらない...!?」
「これは戦いではありません...」
「くっ...!」
「外へ出す手伝いをしてあげるだけです、もっとも、目的地はずれてしまうでしょうが」
アルスの攻撃がゼロに当たる、その一撃は重く、ゼロの体力を大きく削る
「あなたは遅いのです、すべてが私には棒立ちしているようにしか見えません」
「ぐっ...!」
「ふふっ...お嬢さん」
突然呼ばれたゼーレ、あまりの強さに手が出せないでいた
「この人を見殺しにするのがあなたの趣味なのですか?」
「はっ...!?ち、ちが!」
「では何か手を打ってください、ホントに死んでしまいますよ...?」
「...!」
(私は...何をすれば...ゼロの手に負えない相手じゃ、私に勝てっこない...!)
ゼーレの様子を見たアルスは首を振った
「はぁ...この人達は...」
するとアルスは何かの魔法を唱えた、その瞬間、地下が大きく揺れ始めた
「な、なにを...!」
「面倒になりました、この地下ごとあなたたちを潰します」
「ばかな!お前も死ぬぞ!」
「死にませんよ、あなた達のような能無しではありませんので、それよりも...」
アルスはゼロから離れ、魔力を貯めている
「私が先にあなたを消します」
徹底的に痛めつけられたゼロは反撃の気力を失っていた
「......」
「さあ、これで終わりです...」
(私は...!)
「ゼ...ゼーレ...」
「...!!」
「さようなら、ゼロ」
ゼロに魔法をかける直前
一瞬の、空白ができた
「ゼロ!!!逃げて!!!!!」
アルスは魔法を発動する姿勢のまま止まっていた
「これは...あなたの魔法ですか」
「ゼーレ!!」
(こうするしかなかった......)
「これは私の魔法!相手を足止めさせる...ゼロの得意技よ!!!!!」
「拘束魔法...!」
(こうするしか...ゼロを助ける手がなかった!!!)
「なるほど...いい魔法をお持ちですねお嬢さん」
「早く逃げて!!早く!!!」
「でもゼーレ!」
「どっちみち私は助からないわ...この魔法で魔力が限界を超えてるもの...」
「...!」
「魔力を使いすぎると死ぬ...そうでしょ?ゼロ」
「ゼーレ...」
「さあ、地上まで走るのよゼロ...!......死なないでね」
「くっ...!!」
ゼロはアルスとゼーレから背を向ける
「絶対助けるからな...ゼーレ」
「......」
ゼロが走って登っていった階段は直後に入り口が崩れ落ち封鎖された
「...あの世で待ってるわ...」
ゼーレはそのまま地面に倒れた
「ふふっ、まさかこのお嬢さんが私を止めることができるなんて...」
崩れ落ちる地下の中、アルスは一人呟いた
「さて、私も脱出しましょうか...これから面白くなりそうです」




