38話
古代遺跡
そこは神の攻撃が防がれた唯一の遺跡、その驚異的な防御力を誇るバリアは長年研究の対象にされてきた
が、その構成の複雑さから研究は難航し、今でも完全な解析は出来ていないと噂されている
一つ分かっているのは、そのバリアは魔物を封印した者たちによる魔法ではなく、魔物自身の魔法であることだ
何故このような力を魔物が持っているのか、その真相究明もかねて、ゼロ達は遺跡へと足を運ぶ
「バリアか...」
ゼロがふとそう呟く
「ん?どうしたの急に?」
遺跡に同行することになったゼーレは、ゼロの不意の発言に疑問を抱いているようだ
「なんか、不思議だなと思ってさ」
「不思議?」
「うん、遺跡のバリアは皆が知ってるバリアとは違うんだよな?」
「そうみたいね、なんかこう、種類そのものが違う...みたいな」
「それで今までの似たような現象を思い返してみたら、気になることがあったんだよ」
「なにそれ?」
するとゼロはおもむろにバリアを展開し始めた
「バリア?」
「そう、簡易的なバリアだ、ゼーレ、このバリア向けて全力で攻撃してみてくれないか?」
「えぇ?べ、別にいいけど...」
ゼーレは少し下がってゼロに全力の魔法を打ち込んだ
「わお、すげーなゼーレ!バリアがヒビだらけだ!俺まで食らうとこだったよ」
「全力でやれって言ったのはあなたでしょ」
「まぁな、あはは!」
「はぁ...それで?今のは何をしたかったの?」
「ああ、ゼーレ、今のでゼーレの方に衝撃は来たか?」
「衝撃?何も来てないけれど」
「そう、普通はバリアに攻撃しても衝撃はこない」
「?そうね、当たり前じゃないの?」
「それでだ、ゼーレ、前にあったあの塔の事件覚えてるか?」
「え?もちろん覚えてるわ」
スタール奪還作戦と名付けられた、ゼロの兄、スタールが出没していた塔のことだ
「あの時、塔の方から何回か衝撃波が飛んできていたことあるだろ?」
「そうね、ギルドにいるときは受付嬢のメルがバリアで被害を防いでいたあれね」
「そう、それであの衝撃波はルイの解析で塔を囲っているバリアから出ていることが分かったんだ」
「それも言ってたわね、でもそれがどうかしたの?」
「これは俺の予想なんだけど、遺跡のバリアも、もしかしたら...ってね」
「え!?つ、つまり、それが当たってたら、操ってた張本人は...」
「まだそうと決まったわけじゃないけどね、でも俺はその可能性が高いと思ってる」
「まさか...それなら、今回は徹底的に調べつくさないといけないわね」
「ああ、そのつもりさ」
ゼロ達は遺跡へ向けて歩き続ける、遺跡まではまだ少しかかりそうだ...




