36話
翌日
「ん、んん...」
太陽が昇る朝、ゼロはゆっくりと布団から起き上がる
最近、よく変な夢を見る
誰かが何かを決意していたあの夢、あの時から頻繁に関連していそうな夢が現れる
最初は声しか聞こえなかった、でも最近は姿が少しづつ見えるように、そして周りの景色が鮮明になった
見えた景色は、とても言葉にできないくらい酷いものだった
建物なんて一切存在しない、緑もない、そして...音すらない、誰もいない景色がただただ広がっていた
そこに一人の男がいた、その男は酷くボロついた黒い衣装を纏い、片腕だけを横に広げながら言った
「俺が変える、変えてやる、この結末を...!」
顔までは見えなかったが、その男ははっきりとそう叫んでいた
俺にはなぜか既視感があった、夢のはずなのに、実際にあったかのような、そんな既視感が
そしてその男の声が、とても聴きなれた声だった
それもそうだ、自分自身の声にそっくりなんだから
だとすると、この夢はなんなのか...
「ぜろ?だいじょうぶ...?」
「え?」
ゼロがずっと唸っていたのを心配して声をかけたのはユアだった
「ああ、ユアか」
「おきてからずっとへんだったよ、ねむたい?」
「眠くはないよ、大丈夫」
「じゃあ、なやみ?」
「え?いやいや、違うよ」
「ん~?むりしちゃ、めっ、だよ?」
自分の気持ちが見透かされているんじゃないかと思ったゼロ
「っていうか、ユアはなんでここにいるんだ?」
「ん?」
すると廊下から声が聞こえた
「ユアさーーーん!!もう、どこに行かれてしまわれたのでしょう...」
聞こえたのはシェリアの声だった
「シェリア!ユアならここにいるぞ!」
「あら?」
ゼロの声に反応したシェリアは部屋に入る
【シェリア】
「まあ、またこちらにいらしていたのですね」
【ゼロ】
「なあ、まさかまたここで寝たのか?」
【ユア】
「ねごこち、いい」
【ゼロ】
「別にユアのと変わらんだろ...」
【ユア】
「ん~、そうかも~?」
【ゼロ】
「ならなぜここに」
【ユア】
「わ・ざ・と」
【ゼロ】
「え!?」
【シェリア】
「まあっ」
ユアの発言で時間が止まった感覚を覚える
【ユア】
「なんてね」
【ゼロ】
(全然嘘な感じしないぞ!?)
【シェリア】
「冗談、ということにしておきましょうか」
【ゼロ】
「おい!」
ゼロの返事は無視された
【シェリア】
「それよりユアさん、お着換えの時間ですわ」
【ユア】
「は~い」
【シャリア】
「ご主人様も、お食事の用意が出来ておりますわ」
【ゼロ】
「ああ、分かった」
あの夢のことはまだよく分からないけど、今は遺跡の方に集中しないとな...




