35話
古代遺跡に向けて準備をしているゼロとゼーレはギルドから少し離れた街に来ていた
アイテムや装備をあれでもないこれでもないと言いながら買い物をしているゼーレ
一方そういったものに興味がないゼロは色々な店を見て回っている
「割といっぱいあるんだな、この街の店は」
「ゼーレ?そろそろ買い終わったか?」
変わらずせっせと物を買うゼーレ
しばらくすると買い物を終わらせたゼーレが店から出てきた、その両手には袋一杯のアイテム類を持っていた
「そんなに一杯買わなくても...」
「ううん、これくらいは必要よ!」
敗北を味わいたくないゼーレの性格が時折こういった暴走を見せる
だがこれには欠点があることをゼーレは忘れている
「でもそれ...持ったまま戦うつもり?」
「...あっ!?」
「天然なのか馬鹿なのか」
「ど、ど、ど、どうしよう!!」
涙ぐみながらゼロに助けを求めるゼーレ
「はぁ、しゃーない」
ゼロはルイへ無線機で呼びかける
「なあルイ、転送先を一つ増やしといてくれないか?ゼーレからで」
「わかった、増やしておいたよ」
「ありがとう」
「そうそう、魔法の共有の仕方は覚えてる?」
「ん?聞いたことはあるが、そういえば試したことが無かったな」
「よし、ならゼーレにも聞こえるようにしてね」
ゼロはゼーレにも聞こえるようにスピーカーに切り替えた
【ルイ】
「よし、今から教えるのは魔法の共有の仕方だよ」
【ゼーレ】
「何を共有してくれるの?」
【ルイ】
「アイテムとかを特定の場所に転送、保管しておく魔法だよ、名称とかはないよ」
【ゼロ】
「まあ、大体は転送魔法の応用だからね」
【ゼーレ】
「ふーん?じゃあ今このアイテムに転送をかけたらいいの?」
【ゼロ】
「何も指定せずに転送かけると世界のどっかに飛んでくぞ」
【ゼーレ】
「あ、そっか」
【ルイ】
「人じゃない物の転送は場所とかその配置なんかを決める必要があるんだ、細かく決めていかないと上手くいかないんだけど、それを済ませてあるゼロからその情報を共有してもらう、って感じだね」
【ゼロ】
「で、肝心の共有なんだが、口で伝えればいいとかか?」
【ルイ】
「いや、この魔法は読んで発動させる、所謂詠唱魔法とは違うから共有するには互いの体から情報を流す必要があるんだ」
【ゼロ】
「なるほど?じゃあ共有はどうやって?」
【ルイ】
「手をつなげばいい」
【ゼロ・ゼーレ】
「え?」
・・・・・・
【ルイ】
「...ホントだよ?共有するには互いに体のどこかに触れないといけない、どこに触れてもいいけど、一番手っ取り早いのが手をつなぐってだけさ」
【ゼロ】
「ま、まあなら仕方ない...のか?」
【ゼーレ】
「えーーっと...」
【ルイ】
「ま、まあ、触れるのは一瞬でいいからさ!」
【ゼーレ】
「う、うん」
二人はそっと手を握る
【ゼロ・ゼーレ】
「・・・・・・」
【ルイ】
「うん!もう大丈夫だよ!」
【ゼロ】
「お、おう!」
【ゼーレ】
「あっ...」
ゼロはすぐに手を離した、ゼーレはどこか残念そうにしながら恥ずかしさのあまり俯いてしまった
【ルイ】
「これで共有は出来たはず、ゼーレももう転送が上手く使えるはずだよ」
【ゼーレ】
「・・・」
【ゼロ】
「...ゼーレ?」
【ゼーレ】
「はっ!?」
放心状態だったゼーレが勢いよく返事した
【ゼロ】
「ど、どうだ?転送使えるようになったか?」
【ゼーレ】
「そ、そうね!試してみる!」
ゼーレが目を閉じると、アイテムはすぐにその場から消えた
【ゼーレ】
「あ!消えた!できたのかな?」
【ルイ】
「うん、こっちに届いたよ、ばっちりだね」
【ゼーレ】
「あれ?そういえばこれはどこに送られたの?」
【ゼロ】
「ルイのモニター室にある保管棚の中だよ」
【ルイ】
「そうそう、これも僕の魔法で作ったものだから、僕が死ぬか棚が壊されたら一緒に消えちゃうよ」
【ゼロ】
「怖い事言うなあ」
【ルイ】
「あははっごめんごめん」
ゼロとゼーレの準備はまだ続きそうだ




