28話
「...どうやら、決着が着いてしまったようですね」
「いや、まだ早いじゃろ、そう焦るでない」
「まだ何か、予感がしますか?」
「うむ、本当の戦いが見られそうじゃ」
「そうですか、ではここからは見物人同士といきましょうか」
しばらくするとゼロは気絶しているリリアに言う
「なあリリア...お前の求めていたものって、本当にこんな力だったのか?」
「......」
「昔からそうだったよな、俺に勝つため、色んな努力をして自分を痛めつけながら、俺に挑んでたよな」
「......」
「だが、人に迷惑をかけるようなやり方はしてこなかったはずだ、そんなお前がどうして【操られ】に行ったんだ?」
「...っ!」
リリアは気絶していなかった、ただゼロの言葉を聞き入れていただけだった
「ま、別に教えてくれなくてもいい、もう元に戻ったんだしな」
ゼロがリリアをそっと離して立ち去ろうとする
「わたしは...」
「ん?」
リリアの声に振り向くゼロ
「わたしは、あなたに勝てないのかな...?努力だけじゃ、どうにもならないのかな...?」
「勝てるさ」
「えっ...?」
それまで俯いていた顔を上げるリリア
「しばらく会わなかっただけで、俺と互角になるくらい強くなったじゃん」
「それは...」
「さっきはなんとか勝てたが、この先は分からない、ぶっちゃけもう次は勝てる気がしない、そう思わされた」
「でもさっきのは...!」
「操られてた、そう言いたいんだろ?」
「......」
リリアは無言で頷く
「だったら猶更だ、他人に自分の体を渡したところで、本当の実力を他者が引き出せる訳がないんだから」
「......」
「お前は誤解してる、自分の知らない力を、他者が引き出すことなんて不可能だ」
「でも...」
「迷ってるのか?」
ゼロの言葉で、何かを思い出したかのように目を開くリリア
「だったら、子供のころの迷いを消す方法、やるか」
「えぇ...ええ!そうね!」
「迷ったら勝負!それが俺たちのやり方だったろ!」
「そうね、思い出したわ!」
「さっき他者が引き出すことは無理と言ったろ、だがそれは無理でも人を見て自分で引き出すことはできるはずだ」
ゼロとリリアは構える
「本当の実力、今こそ見せてみろ!リリア!!!」
「全力で行かせてもらうわ!ゼロ!」
洗脳魔法が解かれ、本来の姿に戻ったリリア
あの頃の約束が、今こそ果たされる




