27話
ゼロがリリアに攻撃を続けるが、リリアよりゼロの方が疲れてきているようだ
「体力は俺の方があるだろうが、リリアの魔法が優秀すぎる...!このままだと俺が先にバテちまう!」
攻防共に優れた魔法を持つリリアとは相性が悪いゼロ
幼いころは物量で勝てた戦いも経験を積めば通用しなくなる
「魔法が厄介だ...これさえ無ければ」
リリアから少し距離を取り一息つく
「リリア...お前もあいつ、スタールと同じことになってるんだな」
拳を固く握りながら話すゼロ
「違いと言えば喋るかどうか、だがそれ以外は同じだ」
「お前は操られている、そう確信した」
時間は少し遡りルイの部屋へ...
A3からリアルタイムで送られてくるゼロとリリアの戦いを見ながら作戦を練っていたルイ
するとゼロがリリアから離れた時に無線で連絡が入った
『ルイ、聞こえてるか、俺だ』
「うんうん、バッチリ聞こえてるよ」
『前のスタール奪還作戦の後、二人で作ったあれ、準備できるか』
「使うんだね、あれ」
『ああ、今なら有効に使えるだろう』
「分かった、いつでも使えるようにA3に積ませてある、合図を送ってくれたら発動するよ」
『あまり時間は持たないんだったよな、一瞬の隙を作るよ』
「そうだね、そうしてくれ...それはそれとして」
『ん?どうした?』
「君今すごいことしてる自覚ない??」
『すごい事って?』
「実際に口に出してる言葉と僕の無線に来る言葉が全然違うってこと」
『ああ、それか』
ルイから貰った無線機はあれから改良し、使用者が言葉を発さずとも会話ができるようになった
「本来なら無言でも聞こえるのに喋りながら無線で作戦を伝えてくるなんて、君は非常識だよまったく」
『あまり無言でいすぎると疑われるかと思ってね、それに少しでも時間を稼ぎたかったし』
「そうかい、まあそれじゃ、合図を待ってるよ」
時間は戻り、ゼロとリリアの戦いへ...
「次の一手で、幼きころの約束を果たさせてもらう」
ゼロが歩きながらリリアの元へ近づく
リリアは戦闘態勢に入る
「他者を操るなんて汚い手を使ってくる奴には、同じ手を使ってやりたくなった」
「......!」
リリアは魔法を放とうとしたが
「やれ!!!」
次の瞬間、魔法が消えた、どころか周囲が暗くなった
夜の街から、光が消えた
「おや、ワシのバリアが消えた」
「暗くて何も見えませんね...まさか!」
魔力はこの国で幅広く使われている
水や空気も魔力で補えた
もちろん、電気も
街灯が全て消え、テリア女王が纏っていたバリアも消えた
真っ暗な闇の中ゼロは言う
「こんな手を使って約束を果たしたこと...今は許してくれ、リリア」
街の明かりが戻ったとき、そこにはただ立っているゼロと
ゼロに寄り添い、気絶しているリリアの姿があった




