19話
昼時、すっかり落ち着いたゼロ達は、ゼロ、ゼーレ、トラーク、スタール(となぜかアイ)で冒険者ギルドへ向かうことにした
ギルドはいつも多くの冒険者で賑わっている
魔物の作戦会議やグループの連携確認もあれば雑談やただ酔って騒ぎたい奴なんかもいる、居酒屋はほぼ無いので仕方ないことではある
ゼロは受付嬢兼色々のメルに事件の報告や兄弟の紹介をしていた
その間ギルド内では
「伝説の勇者様の帰還じゃ~!!!」
と酔っぱらったおっちゃんがはしゃぎ、それに呼応するように他の冒険者も騒いでいる、ちょっとしたお祭り状態になっていた
ゼロがメルと話し終えたとき、後ろから誰かに声をかけられた
「外にある立派な館を建てたのはお主かの?」
ゼロが振り返ると
「おや、これはコブ村長、お久しぶりです」
杖をついて立っているこの村の長、コトブキ村長がいた
おでこに特徴的なコブがあることから、周りの人は皆コブ村長とあだ名で呼んでいる
本人はあだ名を受け入れており、むしろそれでこの村に愛着が沸くならそう呼んで欲しいとさえ言っている
孫にメイル・ガーディー、つまりメルがいる
今はコブ村長に魔法は無いが、子供たちに受け継がれている、メルも魔法の後継者だ
「いえ、あれは俺の友達が建てましたよ」
「なるほど、そうかそうか」
「あの距離で館と分かるとは、相変わらず視力が良いですね」
「そうじゃろう、向こうまでばっちり見えるわい」
そこで少しコブ村長の表情が暗くなる
「見えすぎるとそれはそれで困りもんじゃの」
「...そう、ですね」
周りはどこを見渡しても土の色、緑なんてとうに存在せず、絶望を映し出したかのような抉れた地面が見えるだけ、いっそ見えない方がどれだけ幸せかと思えてしまうほどに酷く、虚しい
「館を建てたお主の戦友に伝えてくれぬか」
「何をです?」
「この村を復興しないか、とな」
「それって...」
「土ばかり見ておっては目を腐らせるわい、せっかくお主たちがおるんじゃ、この村に花を咲かせて見せんと長の名が泣くわ」
「村長...分かりました、帰ったら必ず伝えておきます」




