16話
スタールはゼロの連撃を容易く避ける
(さすが兄貴、伝説と呼ばれてるだけある、ここまで攻撃が当たらないと嫌でもそれを実感するな)
ゼロもスタールの攻撃を避けているがあまり余裕はなさそうだ
(でも兄貴の本気はこんなもんじゃないはず)
スタールが立ち止まると右腕を前に向ける
防御の体制に入ったゼロに向けて魔法を発動する
「受けてみろ、大波動!」
放たれた大波動はゼロに直撃する
煙が立ち込める中から
「なかなか効いたぜ兄貴!」
ゼロがスタールの目の前に飛び出してきた
スタールは突然の出来事に避けきれずゼロの攻撃をくらった
態勢を立て直そうとするスタールだが、ゼロは隙を与えず追撃する
「どうした兄貴!伝説の力ってのはそんなもんかよぉ!」
ゼロの猛撃を受けたスタールは最後の一撃が当たる直前にゼロから退いた
ゼロは若干疲れているが何かを確信したような表情になっていた
「最初から感じてたことだけど、今ので確信した...」
「お前、兄貴の体を使いこなせてないな」
スタールに焦りが見えた
「兄貴の体を理解できていたら追撃は避けられたはずだ」
「兄貴から教わった追撃の仕方だからな」
ゼロはそう言うと再び構えた
「その体に慣れる前に決着を付けさせてもらう!」
ゼロがスタールに向かいだす
「そうか、ならこちらも本気でいかないとな」
スタールはそう言いながら部屋から姿を消した
「なに、どこ行った」
ゼロが周りを見渡していると
「屋上だ...屋上にいる...」
「トラーク!」
トラークの目が覚めた、ゼロとトラークは部屋の奥にある階段から屋上へ上がった
「いた...!」
屋上にはスタールが黒いオーラを纏いながら立っていた
「屋上にでた理由はそれか...」
ゼロに続いてトラークが言う
「ああ、野外でのみ発揮される全能力上昇オーラ...
スタールが伝説で最強と呼ばれる所以だ」
「スタールに勝つにはあの方法を取るしかないな、出来るかトラーク」
「もちろん、一度しか使えない上効果も短いが、最後はゼロ、お前に託すよ」
「あぁ、必ず無駄にはしない」
ゼロとトラークは戦闘態勢に入る
それを見たスタールも戦闘態勢に入った
まずはゼロが攻撃を始めた、先ほどとは違いスタールは攻撃を受け流しながらカウンターを入れていた
ゼロもカウンターを受け止めながら攻撃を続ける
両者の攻撃が互いにヒットし、距離が開いた
二人が駆けだした時、それまで見ていたトラークが声を上げる
「いくぞ!魔力封印!」
トラーク魔法を唱えた瞬間スタールから黒いオーラが消えた
「はぁぁぁぁあああ!!!」
魔力の消えたスタールにゼロの攻撃が当たり吹き飛ばした
衝撃波が広がる中、何かの音がした瞬間ゼロが壁まで突き飛ばされた
「ぐはっ...な、なにが...?」
ゼロに歩いてきているのは、吹き飛ばしたはずのスタールだった
「ゼロ!!」
トラークは魔法の副作用で動けなかった
「今の魔法は一瞬しか効かなかったぞ、残念だったなゼロ」
スタールはゼロの目の前で立ち止まり右腕を出した
「終わりだ」
ゼロは身構えた
「......?」
ゼロがスタールの方を見ると魔法が放たれる直前で止まっていた
【倒すことを、体が拒絶していた】
「っ!ゼロ!!!」
「はぁぁぁああああ!!!!!!」
ゼロはその隙を突いてスタールに一撃を加えた
スタールは反対の壁に飛ばされ、倒れた
「これで、終わった...か」
「ああ、終わった」
二人が安堵した時塔が揺れ、崩れ始めた
「な、なんだ!」
「そうか、この塔はスタールの魔力で作られてる!
倒したから魔力の供給が無くなったんだ!」
「まずいな、階段を下ってる時間は無い、飛び降りるか?」
「まじで!?地上も見えないのに!?」
「でもどうする!」
その瞬間声が聞こえた
「ゼロ!無事かい!」
「ルイ!ちょうどよかった!」
「塔が崩壊してきてるんだよね、ここからでも分かる」
「なら!」
「うん、だから今から指示通りに動いて」
「わかった」
「僕がカウントダウンするからゼロになったら飛び降りて欲しい」
「なるほど、わかった」
「もうすぐ始めるよ、準備はいい?」
「あぁ、大丈夫だ」
ルイとゼロが会話している所にトラークも入った
「ホントに飛び降りんのかよ!」
「あぁ、そうだ」
「...信頼していいんだな」
ゼロは無言で頷くと倒れたスタールを抱えた
「カウント行くよ!」
「あぁ!」
塔が崩れていく中カウントは減りついに
「ゼロ!」
「行くぞ!」
「ああ!」
ゼロとトラークが飛び降りた直後塔は完全に崩壊した
ゼロ達はそのまま後ろから飛んできた無人戦闘機にタイミング良く着地した




