12話
ゼロの攻撃は容易く避けられ拳が宙を舞うばかりだ
「こいつ...全然当たらねぇ」
ゼロは少し悔しそうに呟く
「私はずっと見ていましたから、貴方の行動を」
シェリアは静かに言う
「ならやったことのない攻撃をしろってか」
「一撃で当ててくださいまし、外してしまうとその攻撃も覚えてしまいますわ」
「敵からアドバイスされるなんて不思議な気分だよ全く...」
不機嫌そうに呟いたゼロは再びシェリアに立ち向かう
一方トラークは...
「くっ!やりにくい相手だなこりゃ!すばしっこすぎるぞ」
トラークはユアの身軽さに苦戦していた
「幸い攻撃は防げる、けど反撃する隙がない!」
「ほらほらーどうしたのー?さっきからユアに
まーったく攻撃来てないよー??」
ユアは煽るために立ち止まっていた
「こういう相手に有効な魔法を持ってないのが俺の辛いとこだなあ」
(勝てんのか?これ)
トラークが対策を練っている間も素早く移動しながら攻撃を続けるユアだったが
「それそれーっととー!!?」
ユアが小石を踏んづけて転びそうになった
「っとー、セーフ!」
(...!こいつ素早く動く割には足元を見ていないのか、なら...)
トラークは少し離れているゼロに下がる合図を出した
「ん?何かあったみたいだな、退かせてもらうぜ!」
「あら?」
ゼロはシェリアの攻撃を避けながら後退した
「お二人とも下がりましたわね、ユアさん少しよろしいですか?」
シェリアもユアを呼んだ
「んー?どったのシェリアさん?」
シェリアはユアの耳元に近づいた
「シェリアさん...?」
「一言だけ申し上げます、ここからはお足もとに十分ご注意なさってください」
「ん?なんで?」
「ユアさんにお怪我をされては、皆悲しんでしまいますわ」
「怪我は避けられないような気もするけどー...うん、わかった!
シェリアさんや皆を悲しませたくないし、足元をよく見とくね!」
(一応ユアさんにお伝えしましたが...これで防げるかどうかは分かりませんわね)
ゼロの方ではトラークと合流しある作戦を練っていた
「つまり、五ヶ所に等間隔で置けばいいんだな」
「ああ、出来るかゼロ?」
「任せとけ、戦闘の最中にバレないように仕込んでおく」
「よし、頼んだ」
「ひとつだけ言っておくぞ兄貴」
「なんだ?」
ゼロは目線を離れた地面に向けながら言った
「一番右はあの小石」
「蹴ったら合図か」
ゼロは静かに頷いた




