10話
ルイとゼーレがルイの部屋で話している
「なぁゼーレ、ゼロの兄さんのトラークだけど」
「えぇ、昔は体術の天才として名が知られていたわね」
「僕は戦ってるところをあまり見たことがないから
どれだけ強いのか分からないんだ」
ゼーレは過去を思い出しながら言った
「私は実際に見るまで大層な名前って思ってたんだけど」
「うんうん」
「実際に見てみると名の通りの強さなのは確かだったわね」
「どんな感じなんだい?」
「相手の攻撃を華麗に避けつつ手数で追い詰める
隙を狙えたかと思ったら拳で軌道を変えられカウンターを受ける」
「なるほど、伝説と呼ばれるだけの実力はあるってことか」
「けど弱点が無い訳でも無さそうなのよね、少し周りが見えてないっていうか」
「ま、それは多分一緒に過ごしてきたゼロがよく分かってると思うよ」
「はぁぁあああ!!!」
ゼロの声が響く
「どうしたゼロ?もう疲れたのか?」
トラークは突き出してきた拳を軽く避けながらゼロに問いかけた
「ダメだ...どれも決定打に欠ける」
勝負から20分程度経った
ゼロは息が上がっているのに対しトラークは息を乱してもいなかった
「避け続けるのも飽きたし、そろそろ終わりにしようか!」
「いいだろう...正面から来い!」
「ふふん、そんな挑発に乗ると?兄ちゃんを舐めてもらっちゃ困るなぁ!」
トラークは左から回り込もうとしたが
「ふん、今だ!!」
「うわっ!?なんだこれ!」
ゼロが仕掛けた拘束魔法に嵌った
「イデッ!」
足が拘束されそのまま倒れた
「はぁああ!!」
ゼロは立ち上がろうとしたトラークの目の前まで走り、拳を眼前で止めた
「俺の勝ちだ、兄貴」
「...はぁ、こんな罠に引っかかっちまうなんてなあ
こりゃスタールに笑われちまうぜ」
「自分の弱点を知られてる相手だから挑発には乗らなかったんだろう?」
「まあな、普通なら真っすぐ突っ込んだだろう
けど回り込む先に罠があるとは思ってなかったよ
俺がゼロのことを知り尽くしてなかったってことだな」
ゼロは手を差し伸べる
「俺と一緒にスタールを倒してくれ」
「はいよ、負けを教えてくれたゼロには喜んで手を貸すぜ!」
ゼロとトラークは階段へ歩き出した




