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敗残兵、剣闘士になる  作者: しろち
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敗残兵、剣闘士になる 050 面倒な理論


 この回はすっ飛ばしていいです

 興味のある方だけ読んでください、本編には沿っているのですが理論なんで飛ばせます


 朝は日課の流木拾いで少しずつ強度のある棒を集める


 杖術に使うのは4〜5尺(120〜150センチ)

 棒術が5〜7尺(〜210センチ)

 槍術が7〜10尺(210〜300センチ)


 とウチの流派は別れていた、それ以下は剣術だが基本は同じだ、応用は多岐に渡るが基本さえ押さえればなんとでもなると長兄は言っていた


 古武術と書いてはいるが基本的には人を殺すための武術である、武道は生きる為の道であり活かす殺すは定めていない


 人を殺める為の技を極めれば技術となり、技術を得ればすべとなる、術が解かれば即ち術理となり、理(物事の大元)に至る、これが武『術』である


 武道は最終的に道理になって理に至るらしいが今一分からん、行き着く先は同じ、アプローチが違うだけのようです ざっくりでスマン



 閑話休題



 皆には杖術を教えることにした、物には重心があり物を使うのであれば物の重心を移動させながら自分がそれに付いていくことで最短最速の動きに至るし、自分の重心と得物の重心を理解できれば重心の移動は最小限にして最適な動きに至るはずだ

 ここまでが技から始まって技術となるところだ


 言葉にするととーっても面倒


 例えば突きを打つ場合、腕は得物の重心を支えながら前に出る

 ビョルカンもやっていたが少し槍先を上げておいて槍の重心が下がる瞬間に突き出せば腕は槍の重さを支える力は少なく済む、引くときも少し槍先を下げるか上げるかすればより早く動かせる


 その槍の動きに対して自分の体を動かすということを突き詰めていくと術理に迫るのだ




 基本的な得物の重心を知る運動で【廻杖】という基礎がある

 杖の左端には左手を下に添え右端は右手を上から持つ、横の杖を縦にしながら中心に向って手を動かすと一度合掌した格好でちょうど杖が縦になる

 今度は手を返して棒を横にしていくと左手は上から掴む格好になるし右手は下から添えるような格好で開始肢位と逆手になった格好になる


 杖の重心位置が動かないため体が動くことはないので肉体的には疲れないがゆっくりにすればするほど精度が必要になってくるため精神的な疲労が溜まってくる



 次に大きく片腕を振る、片足を大きく踏み出す動きを極限に遅く行う

 早く行ってしまうと自分の支持基底面(転ばずに重心が動ける範囲)を超えて動いてしまい戻って来れないため意味がない、攻撃できても防御ができなくなってしまう


 自分が最大に伸ばせる手足の距離を知るのだ、それ以上に伸ばしたければ自分が移動するしかない、重心を保てないところまで伸びてしまえばそれが隙となり晒すことになる


 今度は自分の重心の使い方だ


 まずは歩く、重心を前に傾け重心が足から大きく前に出た瞬間にその重心位置を追い越すように足を出す

 自然と前屈みで摺り足で出るし後ろになる足は踏み込む必要がないため次の一歩も出る

 横へも後方へも理論は同じだ


 前から突然押されてバックダッシュする際の止まる寸前の動きを再現していると思ってもらえると丁度いい



 あとは四股や組手の型等を教えつつ体を使える状態になるように叩き込んでいく、使える体を手に入れたときには術にまでおそらく達した状態だと思われる



 さて、使える体とは何ぞや?普通にいつも使っているじゃないか?と思うだろう



 じゃあ、カンナを使ってトイレットペーパーみたいに削り出してみようか



 と突然言われると無理だと思うだろう、でも上手にやれる人は同じ道具でできるのだ


 何が違うのか?と考えてみよう


 【経験】とまず思うだろう


 では何を経験してきているのか?


 木を削った感覚?もちろんそれもある


 道具の使う回数、それもある、他には?


 まあいっぱいあるよね



【木を削る体の使い方を最適化し続けた回数】



 これこそが武術で言う【経験】である


 それを得るために感覚と動作を一体として常に意識下に置いて動かなければならない


 感覚を得て動けるように体を自分が思い描く理想に近く使える状態に保つのだ


 それが100点中の100点で可能ならば理に至ったことになっても良いだろう、不可能に近いとは思うが




 面倒な話を続けたが簡単に言うと


 自分が思い描く理想を再現する、それがゴールだ



「あぁ〜果てしなく遠い」



 やってて溜息がでちゃった



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