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うわあぁ、浅井の純白パンツが!

 放課後、俺は校舎の屋上から、くわえタバコで双眼鏡をのぞいていた。

 ったく、何て美味しそうなんだ。やってらんねえな。

 双眼鏡から見えるのは、下校する学園の女子生徒たちだ。

 歩くたびに短い制服のプリーツスカートが揺れている。

 そのスカートの先にはパンツがあり、その先には青春の香りに溢れた初々しい花園がある。

 また、双眼鏡を校庭に向ければ、ランニングをするテニス部やバレー部の女子生徒、音楽に合わせて踊っているチアリーダー部のメンバーがいる。

 おおっ、あれは野上はるかじゃねえか!

 スタイルいいよな。あんな子と一発やれたら最高だよな。

 野上はるかはチアリーダー部のキャプテンである。

 踊るたびにたっぷんたっぷんと揺れるおっぱいと脚をあげるたびに見え隠れするはるかのぷっくらとした股間に俺の『無法者』はギンギンになる。

 拳銃の弾丸をはるかにガンガン撃ち込みたくなる。

 すると、背後から声がした。


「沢木先生」


 うわあぁぁっ! あわててふり返ると、ひとりの女生徒がいた。


「浅井っ!?」


 彼女は浅井泉。

 俺が担任をしている2年B組の生徒だ。


「もしかして野鳥観察ですか?」


 ……浅井が天然で男のよこしまな心を知らない純真な子で助かった。


「そ、そうだ。野鳥はいいぞ、実にさわやかな気分になれる。俺に何か用か?」

「先生にお願いがあるんです」

「俺に?」


 俺は生徒から相談や頼み事をされるような教師でなかったから意外だった。

 浅井は深呼吸すると少し緊張した顔で言った。


「あの……先生は元プロ野球選手だったそうですね。

 もしよかったら野球部の監督をしてもらえませんか」


 言われて、浅井泉が野球部のマネージャーをしていたことを思い出した。

 同時にため息をついた。

 プロ野球選手だったことは事実だが、肩を壊し、投手として1勝もあげられず、結局球団を解雇されて挫折した身だ。

 心の整理をつけたこととはいえ、あまり触れられたくない過去だった。


「悪いが、野球とは縁を切ったんだ。今は静かに野鳥を眺めていたい」


 俺は踵を返すと屋上の扉の方に向かった。

 すると浅井は制服のプリーツスカートを揺らして、追いすがった。


「肩を壊されて引退されたんですよね!? 野球と向き合いたくない気持ちはわかります」

「わかっているのなら放っておいてくれ」

「でも、野球部には先生が必要なんです!」

「毎年一回戦敗退のチームだろう。何をしてもムダだ」


 野球には関わりたくなかったが、やはり野球部のことは気になっていて、3年前に赴任した当時は練習を覗きに行ったりした。

 しかし、レベルは箸にも棒にもかからない草野球レベルで、俺の興味を引くものは何もなかった。

 だが、浅井は必死だった。3階に降りる階段の踊り場まで追いかけてきて、


「でも加藤君がいます! 加藤君がいればきっと甲子園に行けます!」


 加藤?

 聞いたことのない名前だ。1年生か?

 そう思った時、隣で「きゃっ!」という叫び声が聞こえた。

 バランスを崩して浅井が階段から転がり落ちそうになっていたのだ。


「浅井!!」


 こう見えても、一応俺は教師だ。

 目の前に危険な目に遭っている生徒がいれば助ける。

 浅井の体を抱きかかえて、いっしょにドタドタと階段から転がり落ちた。


「痛ェ……。浅井、大丈夫か…?」


 背中をしこたま打ったが、元プロ野球選手の俺の体は頑丈だ。顔をあげて浅井の方を見ると……、

 うわぁ~~~っ!

 目の前に浅井泉の股間があった。

 むちむちした太ももは大きく開かれ、純白のパンツがあらわになっている。

 うっすらと縦筋も見える。

 双眼鏡とは比べものにならない風景だ。


「こ、これは……! おおっ……!」


 今まで浅井泉を女として見たことはなかったが、この鮮やかな純白パンツを見せつけられると、思わず唾を飲み込み、顔が下着の股布部分に引き寄せられてしまう。

 教師にあるまじき行為だが、残念ながら、これはDNAに刻まれたオトコの(さが)だ。

 俺は教師である前にオトコである。

 もっと顔を近づけてクンカクンカと青春真っ盛りのJKの匂いを嗅ごうとすると──


「う、ううん……」


 浅井が意識を取り戻した。

 うわあぁぁぁ~~~っ! やばっ!

 あわてて顔を背けて体裁を繕い、体をずらす。

「おい浅井、しっかりしろ! 大丈夫か!」ととっさに教師のふりをする。

 こういう所、俺は小心者だ。

 というか、一時の衝動で人生を台無しにするほどバカではない。

 浅井は薄目を開けて「先生、助けてくれたんですね……」と小さく微笑んだ。

 純白パンツを(さら)していたことに気づいていないようだった。



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