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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

魔法少女になってしまった。早く元の世界に戻りたいの主人公の妹藤井麗花の日常

作者: 田中まもる

 私の名前は藤井麗花、15歳。児童劇団に所属している子役タレント。今はそこから抜け出し女優への一歩を踏み出した。朝の連続ドラマの準レギュラーに抜擢された。高校は地元の高校に行くと何かと騒がれると周囲から助言があったので、芸能人の人が通学している高校に入学した。まだ売れてないので毎日通学している。しかも早退も遅刻ほとんどない。売れてる同級生は遅刻、早退が当たり前なのだ。と言う事で芸能人らしからぬ普通の高校生活を送っていた。


 その生活が変わって来たのはダメ姉と蔑んでいた、姉の藤井ゆみが記憶を無くしてからだった。姉は変わった。難解な本を読んではこの翻訳はおかしいのではとか言いながら、通販で原書を購入してメモを取りながら誤訳ねと言って満足そうにしている。うちの姉は日本語もあやしかったのにどうした事だろう。


 私は芸能界で仕事をしているので、それなりに顔は売れているはず。新聞、週刊誌に載った事もあるのに、誰かが私を呼び止める時は、私の名前ではなく、藤井ゆみさんの妹さんですねだ。うちの姉は先日退職したけれどシステムエンジニアの一般人でしかない。ご近所ではとっても足の早い人で有名なのだが、それはご近所有名人の範疇で、主要駅とか他の街の人にとっては無名の人なのに、いつも藤井麗花とは呼ばれずに藤井ゆみの妹として扱われる。不本意だ。


 姉は私の恩人の人が主催している動画配信に週一回出ている。もっと出てほしいと関係者の人みんなが、姉ではなく、私にお願いしてくる。姉は私の付き人でしかないのに。

 姉が出ると必ずSNSが炎上して、この頃では藤井ゆみ祭りと言われて心待ちにしている人が多いらしい。番組スポンサーはそれに気を良くして番組は三ヶ月で終了の予定が更に六ヶ月延長された。姉が出るのと出ないとでは閲覧数が100分の1になるので関係者としては出てほしい。でも姉の趣味は読書なので、読書時間が減るのを嫌がる。週一も麗花が一生のお願いを5回くらいやって勝ち取ったもの。それ以上は無理なものは無理と言っているけど、会う度にお願いされてウンザリしている。私は姉のマネージャーかと思う。


 クラスメイトが麗花のお姉さんって、腑抜けた男ども違って颯爽としてるし、無表情なのに時折り口角が上がる顔が素敵と言っている。女子高生の間ではアイドル並みの人気を誇っている。樹里さんのせいだけど。樹里さんは朝の連続ドラマの主演。その樹里さんが姉をとっても気に入って樹里のお姉様になってほしいと言われた際、麗花さんが楽になるかと軽く思って樹里のお姉様を引き受けたが、今は後悔していると面と向かって言われた時は本当に申し訳ないと思った。

 姉にとっての後悔とは読書時間が減ること。度々樹里さんが家に来るので読書時間が減ってしまった。麗花さんのためだと、仕方なしに部屋ではなくリビングで本を読んでくれて、適当なあいづちを樹里さんに返す事で折り合いをつけている。


 姉の部屋は以前は超おバカなほどの少女趣味の部屋だったが、今は洞窟風に変えて、中に入るのが躊躇われるほどリアリティのあるホラールームになっている。この環境だと集中力がますそうだ。


 私の日常を話そうとしてうっかり姉の事ばかり話してしまった。結論として女優の私より一般人の姉の方が人気がある。その内逆転してみせるつもりだ。



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