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少年義勇兵と女子高生  作者: 龍騎兵
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プロローグ

ふと、見上げた空は、グレーの雲と焦げた匂い、地平線まで赤い地獄のような空だった。

あちらこちらで聞こえる悲鳴はなぜだかぼやけて聞こえる。

キーンと鳴り響く頭の虫は止まることを知らない。

「あれ、私さっきまで歩いていたのに…」

私は友達と表参道を歩いていた。イルミネーションが明るく照らしていて、もうすぐやってくるクリスマスを町は盛大に歓迎しようとしていた。


幸せなムードも突如壊される。


一瞬の出来事であった。

止まっていた一台のバンから大量の自爆ドローンが飛び去り、宙に消えた途端、真っ逆さまに私たちに向かって落ちてきて爆発した。渋滞し、人混みもひどく混雑していた明治通りは格好の餌食であったのだろう。

瞬く間に炭と化した人々の山がそこにはあった。

私は運が良かったのか軽い打撲とガラスの破片で足を切った程度で火傷も、骨折もしなかった。


明治通りは緋色に染まっていた。


「リン!」友達の声が聞こえた。声がする方へ向かうも見当たらなかった。

「リン!ここだよ!」


彼女は瓦礫の中に埋まっていた。かなり奥の方にいるため私がいるこの位置からでは、手すら掴んであげれなかった。

「待ってて!今すぐに大人の人をたくさん呼んでくるから!待ってて!」

私はそう言って駆け抜けた。ガラスの刺さりずきずき痛む足を必死に前に出して生存者を探した。

すると遠くで瓦礫から生き埋めになっていた人を救おうとしている集団を見つけた。私服の上に重そうな装備を身に着けて、ヘルメットを被った集団だった。私は消防隊員が駆け付けてくれたんだと思った。私は必死に声を上げて

「すみません!向こうに私の友達が瓦礫に挟まってしまっているんです!助けてください!」

聞こえてない。

声には気づきこっちを見ているのに理解していないようで、ぽかんとしているようだった。

外国人なのだろうか。

そんなのどうでもいい。情けない話だが私一人では、あの瓦礫の山をどかして友達を救うことは到底できない。多くの人の力がなければ救助は不可能なんだ。

英語が苦手で毎回赤点ギリギリの私だが、必死に「ヘルプミー!」と日本語のような英語で叫んだ。

数人がこっちに近づいてくれた。ありがたい!

とそう思った瞬間だった。


パパン!


数発の銃声が鳴り響いた。瓦礫で生き埋めになっていた人を撃ち殺していた。両手には映画でしか見たことないマシンガンを持ってこちらをにらみ、そして高笑いを見せ

つけてくる。


ーーー殺される。


殺意に満ちた集団に私は恐怖に包まれて足が動かなくなっていた。

早く友達を助けないと…でも私も今殺されるかもしれない。どのみち二人とも死ぬんだ。数多ある死の可能性を瞬時に想像してしまっていて耳には

「ドッドッドッド」

という凄まじい速さで動く心臓の鼓動の音だけがこだましていた。

中国語でなにやら話していた。一人は困ったように、一人は怒った風に、そして六人全員とも笑いながら私に近づいた。私のこめかみに銃を突きつけ、片言の日本語でささやく。

「お前の、両親を殺されたくなければ、俺たちの指示に、従え」

私は何も言い返すことができず、従うしかなかった。男たちは瓦礫だらけのこの場所で私の服を破き、胸を触り、弄んだ。男たちも下半身を露出したとき。


パスッ


甲高い音共に私の目の前の男が血を出しながら倒れこんだ。男たちは慌ててズボンを履き、銃を取って応戦しようとするが見当たらない。、


パスッ


この金属音は瓦礫と化した街に響き、甲高い音色を奏でていた。打楽器のように男たちは倒れていき、残り一人となった集団の一人は、次々死んでいく仲間たちを置いて

逃亡を図ろうとしていた。だが、見逃してはくれなかった。


パスッ


私の前に男たちは誰一人立っていなかった。

私は急いで瓦礫に埋まったままの友達の下へ駆けつけた。安否確認がしたかった。少しでも離れていたくない。でもそうはいかない。救助できる大人を探さないと。そう脳裏を高速で駆け巡ったが、足は友達の下へと走っていた。

「ねえ!リカ!生きてる?声を聴かせて!」

生き埋めになった友達のリカはぐったりと瓦礫にもたれかかりーーーー


死んでいた。










これが私「獅子原リン」の二年前のトラウマ。




漫画のプロットとして練っていたものです。いろいろ構想を練っていても漫画にできなきゃ作品にならないのはもったいない!

と思ったので小説兼プロットとして書いて投稿してみました。

更新は不定期ですが、積極的に更新しようと思います。

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