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20分の2話 出立の日

連載できました!

2話です!


朝5:00頃、ユーテルは古びたトランクを1つ持って所長室の前で立っていた。


昨日所長にここに来るようにと言われたのだ。皆まだ寝ている。


しばらく経つと廊下の奥から人影が見えた。


所長だ。


「無茶を言ってすまないな。私が君の立場なら断っていただろうに。」


「そんなことありません。自分の仲間探しの旅はとてもわくわくしています。」


嘘のようだけど、これは本音。


自分と同じエレメンターとして生まれた人達に早く会いたい。


そう思ってる。


「そうなのか。長旅にはなるが、頑張ってくれたまえ。これは私からの贈り物だ。道中にこれに詳しい武具屋があるから修理して使いなさい。きっと役に立つ。」


そう言って腰に着けたホルスターのようなものを外して渡した。


ユーテルはその中にある金属片をを引き抜くと錆びた鉄の色をしたピペットが姿を現した。


「シーカー。それがこの名前だ。」


手で握るらしい部分には<SEEKER> の文字がギリギリであるが見えた。


「以前使っていたものですか?」


「いや、知り合いから譲り受けたものだ。」


んー残念。


なんか残念だな。


ちょっと期待してた。


「使い方が知りたいです。」


「私にもわからん。」


え?


どうすんよこれ?


ま、なんとかなるか。


「それじゃもう行きます。」


「頼んだぞ。」


握手をした後、ユーテルは裏門から出た。そこに馬車が見えた。


所長が馬車を用意してくれていたようだった。


「あなたがユーテルさんかい?」


「そうです。所長からどこに行くか言われていますか?」


「アクリ夫婦の武具屋だと聞いてます。その後ビヒテン国に。」


「わかりました。じゃあよろしくお願いします。」


早速馬車に乗り込んでいざ出発。


しばらくして御者が「ビヒテン国のこと、知らされていますか?」


「いえ、何も。」


「どうも17年ほどずっと疫病が流行っているらしい。」


ん?


それは初めて知った。


しかもこれはかなり大事なことなのに!


何で教えてくれなかったの!?


所長!!


ユーテルはなんとか平常を保って、


「17年ってかなり長いですね他の地域に被害が出たりとかしてないんですか。」


「付近の村はもうなくなって別のところへ越してますよ。着きました。」


ぱっと見普通の武具屋だ。


どこにでもあるふつうの。


でも最近できたのか建物は新しい。


外にも商品が置いてある。


「私はここで待っていますので。気兼ねなく。」


ユーテルは降車し店内へ入った。


中にもたくさんの商品が棚積みになっていた。


狩猟用から対人用、近接から遠距離、武具の素材までさまざま。


品を見て回っていると奥の方から中年の男性が一人でてきた。


とても健康そうには見えないが穏やかな笑顔で話かけてきた。


「あぁ、いらっしゃい。ユーテル君だね。ロリアーさんから話を聞いているよ。じゃあ早速修理を始めようか。」


ロリアーとは所長の名前である。ちなみに下の名前はクリス。


「お願いします。あとこれも一緒に見てくださいますか?」


テーブルの上に例のピペットと黒色のリボルバーを置いた。


「わかった。任せなさいな。」


そう言ってそしてお茶を持ってきてくれた。


「あの気になったことがあるのですが。」


とユーテルが尋ねる。


「いかがなさった?」


「店名にアクリ夫婦ってありますけど、あなたがアクリさんですか?」


「いかにも。妻は向こうで鍛冶仕事をしてもらっている。」


指さした方を見ると男性が5人鍛冶仕事をしていた。


「あの……」と言いかけた。


と、ある一人がいきなり立ち上がって


「お客さん!これかなり修理が必要だからしばらくかかりそう!でもゆっくりしていってね~!」


とユーテルに言った。


「あっ!はいっ!お願いします!」


その人は返事の代わりに笑顔を返した。


「今のは……」


「妻ですよ。」


だよな。


声が女性だった。


でも筋肉バキバキで鎧着てるみたいで男性に並べば絶対にわからない。


こんな人もいるんだな⋯。




次回は今回の続きとある少女の話です!

読んでくださりありがとうございました!

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