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My hack  作者: 面子宿
11/30

拾壱

ハイペース更新まだまだ続きます。


(ここはどこだ。)


百舌は思う。

体が無重力にいるような感覚。

自分が自分じゃ無いみたいだ。

現在の百舌は記憶を変えられているまま、記憶を取り戻している状態。

いわば二つの記憶が混在している。

変えられていた人格からしても、元からの人格からしても、自分のなかに異物が混入しているようなイメージ。

今の時点でもおかしくなりそうだが、おそらく記憶を取り戻したといっても、全部では無い。想像だが...

これから、時間が経つにつれて記憶がより完全なものになって、さらに混乱すると思うと考えただけで目眩がする。

嫌悪しているものを愛している。

好きな事が嫌いである。


(どちらがもとの自分でどちらがあとの自分?)


(本当の俺は、どっち?)


(もう考えるのも疲れた。)


やめよう。諦めよう。


(本当にそれでいいのか)


(別にいい。ここは何もない。なにも考えないでいい。俺はここが居心地が良い。)


声が聞こえる気がする。

気のせいだろう。

自分しかいない。

だが、その声はだんだん強くなって、ついにははっきりと聞こえるようになる。


「へぇー...諦めるんだ。」


「あぁ...いい。めんどくさい」


「僕が君の体は好きにさせてもらうよ。身体欲しかったんだ。君が戻る気がないならしょうがないだろ。」


「あぁ、しょうがないな。」


無気力。これは多分鳩が作った俺だろう。

別にいい。そんなこと身体くらい好きにして欲しい


「君に過去を見せたのは間違いだったかな。」


「どうだろな」


心がざわつく。


「君の意思はこのくらいだったんだ。」


「...このくらいだ。」


「たかだか二年間の記憶に支配されるんだ。」


「...あぁ」


ざわつく。酷く。より一層


「君は誰よりも深く、誰よりも広く、この感情を持っていると思ってたんだけどな。」


「うるさい...セイ」


「思い出せ。君の本質を。」


騒ぐ。全身が。

揺らぐ。人格が。

自分の中に、奥深くに眠っている感情が掘り起こされる。


「君の本質は」


「俺の本質は」



「愛」



作られた百舌がその瞬間姿を消す。


「思い出したようで何よりだよ。」


「...セイ」


「でも、ごめんね。この身体は僕のものだ。」


百舌に戦慄が走る...





二つの人格が混在ってやばそう。

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