第四話 -【残魂システム】-
だんだんこの作品の特徴がはっきりしてきました。
2017/4/20 誤字訂正しました。
「ありがとうね」
「半ば脅したくせに何言ってるんだ?」
そう言い返すと自称神はニコニコと笑って、
「じゃあ、記念に一つ能力をあげるよ」
「は?」
そう聞こえた瞬間体がカッと熱くなった。
-*+*+新たな【才能】を確認+*+*-
C3.【世界超越】(どの世界でも発動可能)
ランクA+ Lv.1
冷却時間
3時間
ただし、残魂を1消費することで省略可能
効果
残魂を1消費して死者の国、境の国、生者の国のいずれかに移動する。
移動先はその世界に最後にいた座標となる。
また、残魂をさらに1消費することで自身以外のもの一つも転移させることが可能(その場合、対象に触れている必要がある)。
ウィンドウが開く。
どうやら、世界を移動できるスキルのようだ。
「君の能力を使うときに必要だろう?」
まぁ、そうなのだが。
「スキルをほいほい与えて大丈夫なのか?」
「むしろせっかく協力してくれる人が死ぬ方が問題だよ。しょっちゅう死んで戻ってきてを繰り返したら参加した意味が無いでしょ?」
確かにそうだ。
「じゃ、【残魂システム】を接続するよー」
頭の中で、カチリと音がした。
-*+*+【残魂システム】に接続されました+*+*-
-*+*+視界に専用ウィンドウを表示します+*+*-
真っ赤なボタンが視界右上に表示された。
視線を集中させると、目の前に赤い縁のウィンドウが展開される。
◆ バース Lv.1 ◆
◆ 残魂:20 ◆
◆ 受注可能クエスト:0 ◆
◆ 受注中クエスト:0 ◆
◆ 達成済クエスト:0 ◆
◆ 交換所 ◆
◆ 連絡(あと3) ◆
「……なんか、ゲームみたいだな」
「できるだけ分かりやすくしないといけないからね。まだ1人目だし、つけて欲しい機能があったら言ってね」
「上から4つはなんとなくわかるが一番下の連絡は?」
「僕に連絡できるボタンさ。1週間に3回までだよ。こう見えても忙しいしね。こちらから連絡するときは回数は減らないから安心して」
すると、受注可能クエストが5になり、文字が赤くなった。
そこに視線を合わせると、別の画面に切り替わる。
◆ 受注可能クエスト:5 ◆
◇ クエストチュートリアル ◇
◇ スキルチュートリアル1 ◇
◇ スキルチュートリアル2 ◇
◇ スキルチュートリアル3 ◇
◇ システムチュートリアル ◇
「じゃあ、早速クエストチュートリアルを選んでみて」
言われたとおりにクエストチュートリアルを選ぶ。
◇ クエストチュートリアル ◇
クエストについての解説をする。
クエストを受注し、その機能について理解せよ。
種別:特殊クエスト
受注条件:なし
期限:受注してから24時間以内
報酬:QP×25、EP×25、残魂×1
受注しますか? Y / N
Yを押す。すると、ウィンドウが切り替わった。
◇ クエストチュートリアル ◇
クエストは神から出される、世界統治のための仕事です。受注者はクエストをこなすことによって残魂を含め様々なものを受け取ることが出来ます。会員ランクが1の場合、同時に受注できるクエストの数は2です。
まず、クエストの種類についてです。
クエストは大きく分けて一般クエスト、緊急クエスト、レイドクエスト、定期クエスト、特殊クエストの5種類あります。
一般クエストは会員全員が受注できる、個人向けのクエストです。基本的にはこのクエストをこなしていくことになります。
緊急クエストは、緊急性の高いクエストです。受けることの出来る対象全員が強制的に受注させられます。
レイドクエストは複数人が協力してこなす必要があるクエストです。レイドクエストでは協力者同士のプロフィール、位置情報が公開され、専用の念話窓口が開きます。
定期クエストは定期的、もしくは恒常的にに発生するクエストです。
特殊クエストは対象者のみが受注できるクエストです。何かの記念としてボーナスクエストとなることもあります。
続いて、クエストの受注条件と期限についてです。
クエストには受注条件が存在します。
それは、クエストの内容のため特定のスキル持ちでしか達成されない場合などがあるためです。
さらに、クエストには達成しなければならない期限が存在します。
それは受注してからだったり、受注時期関係なく定まっていたりします。
受注済みのクエストが期限を過ぎると失敗扱いになります。
次はクエストの失敗についてです。
クエストが期限切れなどの理由で失敗すると、残魂を10%失うことになります(最低値5)。
残魂が4以下の状態でクエストを失敗するとQP、EPを全損し残魂が1になります。また、受注可能クエストに制限がかかり、報酬が半分になります。
その状態で再びクエストを失敗すると魂は消去されることになります。
次はクエストの報酬についてです。
クエストを達成するともらえる報酬には残魂、QP、EP、その他の4種類があり、その中から一つもしくは複数を貰うことが出来ます。
残魂は、生き返ることのできる数です。また、これを利用して魂を改造し、新たなスキルを得ることもできます。初期の所持上限は150です。
QPはクエストポイントの略で、ほぼ全てのクエストの達成で手に入れることが出来ます。
会員ランクを上昇させたり、様々なアイテム、機能などを解放するのに使います。初期の所持上限は5000です。
EPはエンハンスポイントの略で、エンハンスを利用する時に使います。
エンハンスには一時的に一つの身体能力などを上昇させるものや、永続的に上昇させるものがあります。初期の所持上限は2500です。
最後に、会員ランクについてです。
会員ランクは多量のQPを消費して上昇させることが出来ます。
会員ランクが高いと報酬の良いクエストを優先的に受注できるようになったり、同時に受注できるクエストの数が増えたり、残魂・QP・EPの所持上限が上昇します。
また、稀にクエストの報酬が増加します。
以上でクエストの解説を終わります。
クエスト達成ボタンでクエストを達成してください。
◇ クエスト達成 ◇
一通り読み、クエスト達成ボタンを押す。
◆ クエスト達成 ◆
◇ クエストチュートリアル ◇
上記のクエストを達成しました。
QP×25、EP×25、残魂×1
上記の報酬を獲得しました。
……ますますゲームじみてるな。
「で、大体分かった?」
「まぁ、大体はな。俺の他にもシステム加入者……会員はいるのか?」
「いや、まだいないよ。しばらくは増やすつもりもないかな。……まぁ、増やすときは連絡するよ。なんてったって君は記念すべき1人目の会員だからね」
まだこのシステムが有効かどうか分からないからね、と自称神は続ける。
「じゃ、もうそろそろ僕も行くよ。さっきも言ったけど、こう見えて忙しいんだ」
「……まぁ、だからこんなシステムを作り上げたんだろうけど」
「そゆこと。じゃーねー」
シュンッという軽い音とともに自称神の姿が消滅した。
「…………絶対にユナを生き返らせて見せる」
俺は、拳をきつく握りしめて呟いた。