表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

遅刻するのは人を殴っているのと同じではないのか?

「遅刻するのは人を殴っているのと同じではないのか?」

と僕はつぶやいた。


「ああ、また・・・」

と美少女剣士のミカが言った。


「うん、いつもどおり」

小さい美少女魔法使いのリンも頷いた。


「うん、これも昨日の話と続いてると考えると、わりと分かりやすいテーマかもね」

ともう一人の魔法使いのカナコも言った。


そう、僕らはいま『ラピッドタイガー』と戦っていた。

そもそもタイガーって速いきがするけど、さらに俊敏な虎のモンスターだ。

そして、僕の興味はもちろん、そちらではなく、遅刻に向かっていた。


「これは、昨日の流れからなんとなく想像がつくわ!」

とラピッドタイガーの攻撃をかわしながら、美少女剣士のミカが言った。


「お?」

と僕が聞く。


「これはわりとそのままよね。遅れた時間の分そのまま相手の人生を奪っている。それは暴力の性質と同じだ、という話でしょ?」

とミカが言う。


「そう、凄い!その通り!」

と僕が言う。


「それほどでもないわよ!!」

と、ミカはエッヘンと胸を張りながら顔を赤くしていた。


「そう、そういう感じだ。寿命が80年だとしたら29200日がその人の時間だとする。1日時間を奪ったら1/292000奪ったことになる。これは体重60キロだとしたら0.2グラム奪うことになるよね。一時間0.0083グラムだ。これは立派な暴力といえるだろう」

「まぁ、言いたいことはわかるけど、なんかちょっと無理やりな感じはあるわよね」


「そう?」

「やっぱり痛みがないのが、暴力とは違う点よね。痛みがないと、なんか堂々と怒りづらいというのかあるわよね」

「なるほど。でもまさしくそこが重要なところだと思う。痛みがないから、許してしまうんだ。痛みがあったら許さないのに、だ」


「ああ、言いたいことがわかってきたわ」

「そういう、特性をうまく使って人の時間を奪うという人がいて、これが現代の社会問題になっているんだ。ブラック企業とか」

「ブラック企業?なんかかっこいいわね」


「全然かっこよくないから」

と僕は笑った。


「現代社会は、残業代はかならず払わないといけないのに、それをしない人たちだからね。でも、弁護士の人たちの過払い金請求の次は残業代の回収になるから、これもどんどん減って良い社会になっていくのかもしれない」

「なんだか分からないけど、発展した国もいろいろ大変なのね。」

とミカが言う。


「さて、倒そう」と聖剣『アロンダイト』を振った。


その聖剣は光り出し、この世界最強の力を存分に発揮することになった。


ドカァァァァンという音と共に、『トルネードタイガー』を倒したのだった。


「嘘と遅刻は現代人が恐れる新たな暴力だよね」

僕の思考と異世界の旅は続く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ