雪の街
初投稿です。
昨日と今日がバトンタッチするタイミングから、降り始めた雨はいつの間にか雪に変わり、リリーが朝、目を覚まし、暖かいベットからはいでると、窓の外の世界の派手やかな色を真っ白に塗り替えていた。
窓の外の世界にリリーは自分の目を疑う。
昨日まであんなにたくさんの色に溢れていた街が、リリーが眠りについた後に、『白』一色だけになっていのだから。
リリーは急いでダイニングに向かい、のんびりとくつろいでいた母親をせかして朝食を作ってもらう。リリーは母親が朝食を作っている最中に、自分の部屋に戻って、お気に入りの洋服を用意する。
キッチンからリリーを呼ぶ母親の声が聞こえる。リリーは急いで、お気に入りの洋服を持って、ダイニングに向かう。
ダイニングにつくとリリーは、お気に入りの洋服を汚れないところに、皺にならないように丁寧においてから、イスに座りテーブルクロスの上に置かれた、母親が作ってくれた朝食を神に祈ってから食べる。
母親が作ってくれた朝食は、トーストーに目玉焼き、それにリリーが食べやすいように切られたサラダ。とホットミルク。それらをリリーは急いで口の中にほおばるように食べる。
母親は落ち着きなさいとリリーをなだめる。けれどリリーは落ち着こうとしない。しかし、焦って食べたせいで途中でむせてしまう。そんなリリーを母親は背中を優しくさすってくれた。
ようやくリリーは落ち着き、ゆっくりと再び朝食を食べ始める。
そんなリリーを母親はテーブルの反対側のイスに座り、ホットミルクを飲みながらリリーをやさしいまなざしで見ている。
母親の作った朝食を食べおえたリリーは、いままで着ていた服を脱ぎ始めて、お気に入りの服を着る。
母親は不思議そうにリリーを見てから、その大切な服を着るのとたずねてきた。
リリーは不思議そうに頷く。
母親も不思議そうな表情を浮かべる。
リリーは、今日は特別の日だから汚してもかまわないのと母親に言ってから、リリーはダイニングを飛び出し玄関に向かう。母親はリリーの部屋に行ってから、玄関に向かう。
母親が玄関に着くと、リリーは長靴を履いて、玄関のドアを今にも開けようとしていた。
母親はリリーを呼びとめて、リリーの部屋から持ってきた、背中に大きなリボン結びが付けられたポンチョ型のコートとマフラーをリリーに着させる。
リリーは、コートを着ると玄関のドアを勢いよく開けて、外に飛び出そうとしたが母親に呼び止められる。
リリーは体半分を玄関外に出しながら、母親の方を振り返る。
母親の手には、リリーの傘が握られており、それをリリーに差し出している。
リリーは母親から傘を受け取り、今度こそ。と勢いよく外に飛び出ようとしたが、また母親に呼び止められる。
母親はリリーのもとに来て、コートのフードをリリーに被せ、お昼には帰ってき
なさいと言ってから、リリーの背中を押す。
リリーは、母親に背中を押され勢いよく玄関から飛び出し、傘を広げ、通りに積もった雪の感触を楽しみながら、大通りを目指す。
途中でリリーは後ろを振り向く。すると母親が玄関に立ってリリーを見守っている。リリーはそんな母親に向かって大きく手を振る。すると母親もリリーに向かって手を小さく振る。
リリーは楽しい気分になりスキップをする。しかし途中で雪に足を滑らせこけそうになる。そんなリリーを母親は心配そうな目で見る。
けれど、リリーは母親の心配などお構いなしに、大通りを目指す足取りがどんどん早くなっていく。
リリーは大通りに着き後ろを振り返ると、もうリリーからは母親の姿が見えない。
けれど母親からはリリーと傘がしっかりと見えて、母親は少し心配そうにリリーのことをみる。
リリーは再び大通りの方を振り返って大通りを歩き始める。そして母親の視線からはリリーと傘が見えなくなる。
大通りにの入り口には、Drakskipと書かれた看板が通り沿いの家にかけられている。けれどリリーはその看板気など気にせず大通りに出る。大通りにの石畳の道路は、すっかり雪に埋もれていて石畳であることを忘れさせる。そんな雪道の上を、傘を差して背筋を伸ばして歩く紳士や、傘を指すのが面倒なのか帽子だけかぶっている老紳士に、すこし急いでいるメイド姿の女性に、雪使用の馬車など、様々な人とモノが雪が振る中、大通りを行き交う。その中にリリーも紛れて歩く。
リリーはまず大通り沿いある、大きな公園を目指して雪の道を、歌を口ずさみ、その歌のリズムに乗せて楽しく歩いていく。そんなリリーを大通りを歩く人々は皆注目しながら、各々の目的地に急ぐ。
大通り沿いの公園にリリーはたどり着く。公園にはたくさんの子供達が、スノーマンを作ったり、雪合戦など。雪を使って遊んでいる。
リリーも仲が良い友達を見つけて、その友達のもとに走っていく。リリーの友達もリリーに気がつき、リリーに声をかける。
リリーは傘をたたんで邪魔にならないところに置いて友達と遊び始める。まずリリーと友達は、雪兎などの動物の雪像を作り、次にソリ遊びをしようとしたところで、友達の母親が友達を迎えに公園にやってきた。
友達はまだ遊び足りなっかたのか、母親にもう少しとせがんだが、どうやら家族で出かけるらしく、そのことを友達に言い聞かせて、すぐに帰るように説得する。
友達は納得したらしく、リリーにごめんねと母親と一緒に謝ってから、母親に手を引かれて一緒に帰っていく。
リリーは友達が去った公園に一人で遊ぶより、雪の街を探検する方が楽しいと思い立ち、傘を再び差して公園を勢いよく飛び出る。
リリーはまず、リリーがネコのお店と呼んでいる、大通りから一本奥の通りにある薬屋を目指す。その最中リリーはネーコ、ネーコと歌いながら雪道を歩く。
薬屋にリリーはたどり着いたが、どうやら休みらしく開いていない。リリーは間違ってないか、薬屋の店の名前が書かれた看板を確認する。看板には『Wandering Owl Set(梟の道)』とリリーの目指していた薬屋の看板がしっかりとかかっていた。リリーは薬屋のドアに目を向けると、CLOSEの看板がかかっており、休みだとリリーに教える。リリーは残念に思いながら、薬屋の窓に目を向ける。すると、窓際にネコが座っているのを発見する。
リリーはネコがいる窓に近寄る。しかしリリーには窓が高く、ジャンプしてもネコを見ることができない。リリーは諦めて、ネコが見える位置までさがって、ネコに手を振り薬屋を後にする。ネコはリリーのことなど気にせず、大きな欠伸をしながら、雪の街を暖炉で暖かくなった室内から眺め続ける。
リリーは次に、大きい犬のとこに行こうとしたが、途中でやめてリリーのお気に入りの場所に変更する。
リリーはもう一度大通りに出てから、大通り沿いの公園を目指す。その間も相変わらず、白い雪が空から綿のようにふわふわ舞い降りてくる。リリーは傘に積もった雪を、人に迷惑にならないように傘をまわして落とす。
大通り沿いの公園にリリーは着く。公園はさっきリリーが友達と遊んでた時より子供で溢れている。そんな公園をリリーは横目で見ながら通り過ぎる。
公園を通り過ぎたリリーは少し歩き、人通りの少ない路地の前で止まる。リリーは路地の看板を確認する。看板には『Forty Three』と書かれている。リリーは自分が間違っていないことを確認して、路地に入る前に自分の後を誰もつけてないか確認してから、すばやく路地に入る。けれどその様子は、大人達に見られており、大人達には少しおかしい行動に見えた。けれど、そんなことを知らないリリーはどんどんForty Three 路地を進む。
Forty Three 路地は歩いている人が少なく、人とあまりすれ違わない。そのためか、雪に足跡はあまり残っておらず、リリーは人が踏んでない雪の部分を踏みながら歩く。
路地をだいぶ歩いたリリーは今度はForty Three路地よりも細い路地の前で立ち止まり、また人がいないか確認する。人がいたためリリーは、その人が通り過ぎるのを待つ。
リリーは通り過ぎたのを確認してから、名も無い細い路地に入る。そんなリリーをForty Three路地に住み着くネコたちが、暖かい場所から眺めている。そのうちの一匹が仲間達から離れ、リリーの後を着いていく。
名も無い細い路地は背の高い建物に囲まれながら、右へ左へと分かれ道がいたる所にあり、建物の中を通る道や、階段で上り下りする道まであり、まるで人を誘い込み、からかい、弄ぶラビリンスのごとく複雑に作られている。そんな道をリリーは、迷うことなく、自分の意思でどんどん奥へと、誰の足跡がついていない、まっさらな雪の上に自分の足跡を残しながら進んでいく。ネコはリリーに見つからないように、かなり離れた位置から、足跡を頼りに追いかける。
リリーは、だんだん誰も足跡をつけていないまっさらな雪が嬉しくなってきて、時には踊るようにつけたり、うさぎ跳びのように両足でジャンプして、両足を同時につけたり、けんけんをしたり、いろんな方法でまっさらな雪に自分の足跡を残す。ネコはリリーの足跡を避けるように後を一生懸命追いかけるが、雪に阻まれ思うように追跡できない。
ラビリンスのような細い路地は急に終わり、光が溢れる広場にリリーは出る。
リリーは、まぶしそうに目を細め、目が光に慣れるまでその場に立ち尽くす。
ようやくリリーの目が光になれ、広場を見回すことができた。広場は、大きなトネリコの木々に囲まれており、その中心に大きな噴水と、トネリコの木で作られたであろうベンチがあるだけで、それ以外に目立つもの人工物はない。
リリーは今度は空を見渡す。空は雪を降らす鉛色をした雲に覆われて、大きなトネリコの木々に囲まれて、太陽が隠されているはずなのに、いつもと同じように広場はやわらかな光に満ちておりリリーは不思議に思う。
けれどリリーは、不思議に思いつつも、雪を踏みしめながら広場中心の噴水まで歩く。噴水の中では魚達が気持ち良さそうに泳いでいる。リリーは、おさかなさん冷たくないのかなと思い、おそるおそる噴水の中に手を入れる。すると、噴水の水は冷たくなく、丁度いい水温をしていて、リリーはまた不思議に思う。
リリーは、噴水から手を抜きハンカチでふいてから、歌を口ずさみ、噴水で泳ぐ魚達をみながら、噴水を時計回りで歩き始める。
噴水の反対辺りにリリーがたどり着いたら、突然人型の影が現れる。リリーは驚き影の本体を探す。するとリリーよりだいぶ背の高い人の姿を見つけた。
背の高い人の姿はリリーを襲ってくるどころか、まったくその場から動こうとしないので、リリーはおそるおそる近づき、頭の上から足元まで観察する。
どうやら背の高い人の姿は人ではなく、スケアクロウのようでリリーはホっとする。安心してリリーは、もう一度スケアクロウを観察する。
このスケアクロウは、リリーがよく田畑で見るボロボロのスケアクロウとは違い、ボロ着を着ておらず、頭には暖かそうなハットをかぶっており、ハットと同系色のジャケットを着て、首元にはジャケットと喧嘩しない色の蝶ネクタイを締めている。ズボンもパッチワークされた痕が見られず、ジャケットと相性の良い色のものを履いて、足元は雪のためだろうかしっかりと長靴を履いている。そして手には、鍵盤がついたバイオリンに似た民族楽器を、落とさないようにしっかりと器用に握っている。けれど顔は他のスケアクロウと同じつくりをしている。リリーは顔がもったいないなと思いながら、後ろ姿も見る。
その間もスケアクロウは、スケアクロウらしく動かない。リリーは動けば面白いのにと呟く。
リリーは再びスケアクロウの正面に立つち、かわいらしく挨拶をしてから、トネリコのベンチに腰掛ける。
すると、突然スケアクロウが民族楽器を持っていない手で、ハットを取り、リリーに向かって、お辞儀を仕返した。
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