ふれる音
掲載日:2026/11/06
雨の匂い 薄明りに滲んで 冬の音がする
地中深く眠る潜水艦にももう
修理出来ぬ 雨漏り 薄い壁
筒抜けの隙間を埋めることが出来ないなら
ふわりと大きなあなたの手のヘッドフォンで
わたしの両耳をすっぽりと包んでほしい
お気に入りの曲を聞くように
ただ 歌を聴こう
優しい言の葉
わたしの瞼になっておくれ
目を閉じてハミングをする
触れる音を静かに探しながら
一匹狼の遠吠え
一羽の蝶の瞬き
楽譜のない 深夜に響いて
柔らかき心へ落ちておくれ
見えなくても
響いてふれて
心の何処かに信じられる場所があるんだって知った
もう 時間に奪われないところまで
とどけ とどけ とどけ
夢の中をただ 雪のように
ふれ ふれ ふれ




