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二回目 筆記音

 そして、試験当日になった。

 1時間目は国語、

 小学4年生には、とても読めそうにない文章と、その文章の中に所々語彙や漢字問題が

 出題された。正直に言うと、出来は微妙だ。5割に達したのかわからない。

 2時間目は算数、

 算数は、国語よりかはできた気がした。運が良ければ7割は硬いが、最後の2大門は空白で提出してしまった。

 3時間目は理科

 理科は先生に言われた通り、比重を重くして勉強したから、出来はこの二つよりも良かった。

 4時間目になった。いよいよ最後の科目。いざ問題用紙を開くと

 「(なんだこれは)」

 俺は、心の中でそう言った。1番簡単なはずの大門1から難易度がマックス、

 よくわからない国のよくわからない事をしたよくわからない偉人を答える問題。

 2問目、3問目もそういう感じの問題だった。

 教室はただ1人の鉛筆の走ってる音と時計の音以外、教室は静けさに包まれていた。

 その1人というのが、川崎さんだ。

 隣の席ということもあって、尚更よく聞こえる。鬱陶しいぐらいよく聞こえる。

 僕は隣の筆記音に気持ちを揺さぶられ、尚更、焦燥感に駆られ、問題用紙を点々とした。

 時計が刻々と時間を刻み、テスト終了まで残り15分を切った。

 僕はこの短い人生で1番焦った。もう大焦りだ。

 僕が焦って問題を解いていると、隣の川崎さんは、自分の回答用紙をパタンと裏返して、机にうつ伏せになって寝た。

 そして、終わりのチャイムがなった。

 僕は社会ショックで、悔しすぎて泣きそうになったが、泣かなかった。

 いや、泣けなかったのかも知れない。

 

 二日後、テストの成績上位者の名前が、塾の受付の横に堂々と貼り付けられてあった。

「        川崎 名李 1位    350

         長嶋 健太 2位    320

         梅原 晃誠 2位    320

               :

               :                   」

 僕はこの順位表を見て、膝をついた。。絶望の淵な立たされた気分だった。

 自分で自分のことを頭良いと自信過剰になっていたからなのだろうか。

 先生と親は「よくやった。」と褒めてくれたが、俺は全員に同じように言った。

「2位じゃダメなんだ。1位ということに意味がある。あいつに勝つことに意味ある。」

 と。

 僕は、次の学力判定テストに向けて、勉強し始めた。

 前回よりもさらに、毎日寝る間を削って、勉強した。

 しかし、そうやって生活をしていると、精神よりも体が限界になった。

 全校集会で、途中で意識が遠のいて、次第に目の前が真っ暗になった。

 そして、目が覚めると僕は保健室にいた。

 目の前には、保健の先生に担任の水橋先生が立っていた。

 保健の先生曰く、僕は貧血で倒れたらしい。

 まあ理由は知っている。睡眠時間が少なすぎたからだ。絶対。

 母親も僕が遅くまで勉強していたのを知っていたと思うが、おそらく黙ってくれていたのだろうが、

 この一件をきっかけに、母はそれを許さなくなった。

 そして、試験当日になり、僕は前回よりも50点下り、川崎さんに完膚なきまでに負けた。

 「次こそは。」と意気込んだ矢先のことある一報がそそくさに僕の耳に飛んできた。

 菅田先生が辞めてしまったらしい。

 確かに、ここ10日ぐらい塾に行っても菅田先生はいなかった。僕の唯一の心の拠り所がなくなってしまった。

 勿論、他の先生も悪いわけではないが、菅田先生がいなくなってしまうとなれば、僕はこの塾にいる理由が

 思い付かなくなった。川崎さんに勝つ以外の理由が。

 菅田先生が辞めたと知ってからは、寝る時間以外を勉強に充てた。川崎さんに勝って塾を早く辞めたいと思ったからだ。しかし、幾度も僕は川崎に負けた。

 だが、川崎に勝つために勉強しかしてなかったこともあり、成績がどんどんよくなっていた。

 三者面談の時、塾の先生が言ったことには、

 このまま着実に勉強をすれば、都立御三家どころか、最難関私国立にも受かるらしい。

 母は、僕をできるだけ頭のいいところに入れたいとは、言わなかった。

 多分、川崎さんの一件があったからだろう。

 そして、5年生、6年生と進んだ。凛とは別々のクラスになってしまったが、お互い別のクラスで

 それぞれのコミュニティーに属している。

 凛は元からの陽気オラーがより一層アップして今ではクラスのマドンナポジションだ。

 僕は、今年が受験の年ということもあって、中学受験を目指す人達と一緒に固まっていた。

 6年生となってからは、俺は今までの比べものにならないほど勉強した。いまだにあの塾に通って。

 今では、川崎さんと僕でKSDの2強とまでも言われるようになったが、僕はそれについては不満があった。

 僕と川崎さんとの間で大きな差があったからだ。

 川崎さんも、川崎さんで、僕が入塾した当初よりかは性格が丸くなったが、まだ僕と彼女の間では

 成績も性格とで大きな壁があった。

 

 


 


 

 

 





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