前書き
本書は安全規定機構規則94条1に基づく文書の開示ならびに周知に伴う非安全文による翻訳規定に基づき、同規定補足書に則って訳され、公開を許可されたものであることをここに示す。
また本稿以降、特別の指示がない限りにおいて、すべて一体の書籍であり、指定文書『情報素魔術入門』の複製魔導書(非安全文による訳出)相当として、原書ならびにその非安全文と同等の扱いとする。
安全規定機構審査部非安全文審査・監視室【EA-1】担当官 徳松国吉
同64条における情報開示
原書名 情報素魔術入門
原書著者 エルズワース・エバンス
原書著者情報 指定魔術師、情報素魔術師、カンザス魔術学校元特等講師、名誉講師、米国土安全保障省対MA防衛プログラム元特別顧問、アトニア評議会元議員・名誉議員、一等魔術師。(非魔術関連情報省略)
原書形式 魔術書でない魔術指南書
原書言語 ノーリッジ安全文
原書同一性検定 パーソンズ検定
原書有害性検定 イェイリ・ノックス法、テイラー法
ただし、安全管理水準はN1安全規定による。
同94条3による情報開示
訳者 城島なざら
訳者所属 城島機構
訳語 日本語【EA-1】
安全管理水準 N1安全規定に基づく
許可種別 制限付き公開
本書は、現代魔術とも称される情報素魔術の基礎である、情報素源ならびに情報素子について、歴史から性質、およびその扱い方を示し、また、(区別するところの)近代魔術以前との関係についてとその応用を示してある。
つまり、初学者である閲覧者が体系的に、そして安全に情報素魔術を学ぶための入門書である。
本書のみをもって情報素魔術を行使することは不可能でないにせよ、現実的ではないが、間違いなくその基盤となり、他の指南書の理解を深める助けとなるだろう。
もっとも、昨今多く誤解されているように、情報素魔術は、それ以前の魔術を代替するものでは全くない。いわば理論魔術というべきで、以前の魔術を変化・発展する際の道筋を示す理論、杖の芯である。もちろん、情報素魔術のみで魔術とすることはできなくないが、ずっと単純化せざるを得なくなるだろう。莫大な情報素を取り扱うなら、一から制御法を考えるより、あらかじめある莫大な情報素でもって制御するほうがよほど効率的だからだ。
シャトルのベルナールが言うように巨人の肩の上に立つことは、無駄なリソースを使用することを回避し、より効率よく事を進める鍵であり、つまり新しいことだけを注視せず、長年の蓄積もともに学ばねばならないことを意識するべきである。そのことに気づくのを遅れると、私のように遠回りをすることになるだろう。
教え子に示す時のように、できるだけ平易に説明することを心がけたつもりではあるが、不明点があれば各自参考資料を探して欲しい。特に近代魔術については西洋はノヴァク・ニコリッチの「近代魔術総論」、東洋は工藤兼良の「近代東洋の魔術体系」、かなり古いがフーベルト・フォッカーの「現代の全魔術」なども良いだろう。それ以降は私より閲覧者諸氏が詳しいと思うが、安全文でかつ読みやすいものは、モンドリアスの「新時代の魔術の探求」だろうか。
私もまた巨人の肩にいることは間違いなく、情報素魔術もそのような歴史の中に立っている。ゆえに情報素魔術については本書で分からないことは、紐解く歴史を辿り、それぞれを読めば理解ができるだろう。また基礎的な科学、物理学はこの世の表面を単純化して示してくれている。また情報素の原点は哲学と魔術の境目のない時代であり、科学も錬金術から離れるまでは魔術と一体の思想であった。そして分かれた後も、論理という軸で収斂しつつあり、やがて魔術は他の理と同一の系に戻るだろう。つまり、他の理にも収斂に向かう論理があると考えられ、専門としていれば、そういったものからもたどりつけるかも知れない。それはとても興味深いことであるし、私はかつてそれを放り捨ててしまったことに対し、激しく後悔している。
ともあれ、閲覧者諸氏が私の肩の上に立ち、あるいは立たずとも魔術の、そして真理の秘奥に手が届くことを心より願っている。
エルズワース・エバンス




