キミと過ごすポッキーの日は
この作品は、グリコ様やポッキー&プリッツの日、ポッキーなどを(個人的にですが)応援しています。
登校中に昼食を買うためにスーパーへと寄る。
「おにぎりは…二個あればいいか…」
小さく独り言を言いながら店内を回っているとふと、大きなPOPが視界に入った。
「ポッキーの日…もうそんな時期か…そうだ。」
僕はポッキーを2箱カゴに入れてレジへと向かった。
「ふわぁー…トラジ、今日も早いねー…」
学校に着いて教室で待っていると目的の人物が現れる。
名前はスカイ。大事な友人であり恋人でもある。
「おはよう。でも君だって早いだろう、普段は遅刻スレスレなんだから。」
「だって…トラジのGPSがもう学校に着いてたから…ふわぁー…」
…いつの間に位置情報を共有されたのだろう。身に覚えが無いが…本題はそこではない。
「これ買って来たんだ。一緒に食べない?」
ポッキーを机に出すと彼女は隣の席に座る。(まあ…元から彼女の席だが)
「いただきます…やっぱりおいしーですねぇ…」
眠たそうな顔をしながら彼女はポッキーを食べている。
ここで、仕掛けてみることにした。
「そういや今日はポッキーの日らしいね。せっかく二人っきりなんだしポッキーゲームでもする?」
「ふえっ!?…まあ良いですけど…チョコの方は私がもらいますからね!」
スカイは少し顔を赤くしながらポッキーを咥えている。自分から結構攻めてくるのに打たれ弱い所が彼女の特徴だ。
「やっぱりスカイはかわいいね。」
「いーはらはじめまふよ!」
微妙に上手く喋れていない彼女を待たせないため、ポッキーに口を付ける。
サクサクとしたクッキーの持ち手が終わり、チョコの味を感じる。
スカイの顔が近づいていく。
唇が触れる。
「ん…ふふ。やっぱり嬉しいなあ…あなたとこうして過ごせるの…」
「僕だって嬉しいよ。絶対にもう離さないからね。」
「こっちのセリフですよ…ポッキー、まだまだありますね?」
箱から次のポッキーを彼女は取り出し口に咥える。
「ほら。やりまひょ?」
もう一度僕はポッキーに口をつけ始めた。
「あれ?スカイさんもトラジも早いね。おはよう。」
…二人から回答は返って来ない。
「…大志、あの二人、朝早く来て寝てるんじゃない…?」
一緒に登校してきたエレナの言葉の通りのようだ。わざわざ椅子を寄せてお互いに寄りかかって寝ている。
「ん?机になんか置いてある…」
トラジのすぐ後ろ、自分の席にポッキーとメモ書きが置いてあった。
「今日はポッキーの日なんだから二人でポッキーゲームをするといい…まさかそれだけのために買って来たのか…?」
もちろん答えは返ってはこない。
「…せっかくだし、やろっか。」
「いやいやいや…」
トラジやスカイと同じように僕らだって付き合っている。だから問題は無いのだけれど…
「ほら…エレナ、ここ学校だよ?ちょっとイチャイチャは控えた方が…」
「なんで?この教室、今は私たちしかいないよ?」
「でも…誰かに見られたら恥ずかしいし…」
「私は恥ずかしく無いけど…そういうなら手早く済まそっか…?」
彼女はポッキーを口に咥えてこちらを向く。
「ほあ、覚悟決めて?」
「…分かったよ、一回だけね。」
向けられているチョコ側を咥え、食べ始める。
君の顔が近づいていく。
唇が触れ合えば、チョコの味も分からなくなっていく。
「…ありがとう、付き合ってくれて。」
彼女は少し微笑んだ。でも、なんだか少し寂しげで…
「もう一回やろう。」
「…え?いいの?」
「気が済むまで付き合う、君が望むなら。」
「…一生でも?」
「ああ、一生だろうと。」
「…じゃあやろっか。」
朝の会が始まるまでの限られた時間。
でもエレナが喜んでくれるのだったらいくらでも付き合おう。
それで僕だって幸せなのだから。
ポッキー&プリッツの日であることに気付いて湧いてきたインスピレーションをそのまま書き上げた作品です。本当は11月11日にちゃんと投稿したかったんですが寝落ちしてました。
約1500文字なので過去イチ短い短編ですね。(まあイチャイチャしてるだけですが…)
ちなみにポッキー極細が個人的に一番好きです。