依知
国立勇鹿高校2年A組。
個性的な人が集まるこのクラス。
その中は平和でこれから起こる事件の予兆など微塵もなかった。
その中、織長 想恋は親友とオネェと天皇の息子と魔性の女と昼ごはんを食べていた。
メニューは購買のコッペパンとりんごパイ。
想恋は林檎が大好物である。
RPGが好きでよくゲームやマンガやアニメを漁っている。
自分もこんな勇者になって世界を探検してみたいと思う。
そんなことを話して親友の式 刈谷がウンウンと相づちを打っていた。
刈谷は想恋のことを密かに思っているがその恋はついぞ実ることはなかった。
想恋は鈍感中の鈍感。
一時期猛アピールして恥ずかしいことまでやったのにキョトンと首を傾げる想恋をみて馬鹿みたいに思いそのまま親友ポジションに落ち着いている。
焼きそばパンを食べながら想恋の話を聞いている。
その時見ていた周囲は可哀想と思われていたらしい。
というか刈谷のアピールに気づかない想恋を間近でみてきた三菱 加羅はあらぁ…残念ネェ…男は諦めないことが大事よ♡と応援していた。
加羅はオネェだ。
オネェはオネェでも美人で女にしか見えない。
スレンダー系女子に見えて声が完全に男。
感が鋭くほとんど未来予知なくらい。
情報が一番大事と言って何処からか手に入れた情報をどんな相手にでも高値で売る有名な情報屋でもある。
弁当の温泉卵を口に運びながら楽しそうでいいわねぇ♡と同意していた。
まだRPGが理解できていない顕示がローストビーフを優雅に食べながら質問をしている。
顕示は天皇の息子。
何故か想恋に懐き付き従っている。
新たなことがしれて満足そうにしている。
あともう一人何故か想恋に懐き付き従っている人がいる。
山弍 萌。
男女問わず落とす魔性の女。
一年時に教師を全員落としてしまっている。
ケーキを食しながらにこやかに話を聞いている。
こんな有名人達を侍らせている想恋は何時しか『裏ボス』と呼ばれるようになったとか。
そして皆が食べ終わり授業だと先生が入り込んできたとき、床に魔法陣のような図が光りだした。
「あらぁ…これは逃げられないわねぇ…。」
「え、カラちゃんがいったら絶対じゃねーか!?」
逃げようとてんやわんやしているクラスメイトを横目に困ったわと言いながら動こうとしない。
「ソ連!手ぇ繋ごう!」
「だな!絶対に離さないぜ!」
「ええ!」
「わかった!」
「えぇ。」
そして光が満ち、何も見えずに誰もが目を瞑った。
そして眩しさが無くなりゆっくりと目を開いていくとそこは教室ではなかった。
豪華な石造りの建物。
中世か?と思うような飾り。
そして玉座に座る男性と俺達を中心に平行に並ぶ甲冑の騎士達。
お、これはRPG定番の…
「うっひょぉ!これはこれはこれはクラス召喚というものですねぇ!!盛り上がってきたぁ!!」
騒ぎ出したのはクラス1のオタク、大田 九伊都。
キモオタとか呼ばれている。
見た目は完全にモブの眼鏡のおっさんである。
リっちゃんというアイドルが1番の推しらしい。
その言葉にざわめくクラスメイト達。
そんな中、玉座の男性が話し始めた。
「私は、このランアルド国の王である。サールハル・ランアルドである。よくぞ召喚に応じてくださった!勇者様!」
勇者!
俺が言ってたことが叶ったのか!
俺のテンションは爆上がりだ!
想恋は無意識にガッツポーズをしていた。
王様の話を要約するとこんな話だった。
・この世界は『レイゼ』。
・女神『サフィーナ』が創った世界。
・魔王が人間の生活域を脅かしているので何とかしてほし
い。
・魔王が現れたことにより各地の大人しかった魔物や家畜
化した魔物までもが暴走状態に陥ってしまい、解決して
ほしい。
・魔王は歴代最強と言われるので多くの勇者を召喚した。
・魔王は勇者にしか倒せないらしい。
・勇者は〜の勇者とあり〜の部分が勇者の力の本質を表し
ている。
・魔王討伐の際の援助はすべての国が協力を惜しまない。
・先ずはこのランアルド国で訓練を受け、力を慣らして各
地の問題を解決し力を蓄えてほしい。
・勇者の力は名声に影響し〜が進化する。
・俺たちが戻るためには魔王の心臓を生きたまま召喚陣の
上に持ってきて儀式をしなければならない。
だと。
『ステータス』で自分のステータスが見れるので見てみた。
織長想恋
男
14歳
魂の勇者
レベル1
HP 1550
MP 950
攻撃力 400
防御力 500
素早さ 350
運 1000
スキル 魂操作 魂変換 言語理解
な、なんか強くね?
いや、この世界の平均がわからないからそう思うのか?
刈谷に聞いてみたら。
式刈谷
男
14歳
式の勇者
レベル1
HP 500
MP 200
攻撃力 50
防御力 60
素早さ 70
運 30
スキル 式読み 言語理解
…俺強くね?
「あらぁ?流石想恋ちゃん♡これってチートってやつねぇ♡」
「流石想恋!僕はそこまで強くないから足手まといなのかな…なら肉の盾になるよ!」
「やめて!」
「さ、流石にそれはやりすぎだって…。」
「ふふ…確かにその思いはわかるわ。けれど想恋様が悲しむから止めてね?」
「分かったよ!」
本当に俺、なにかしたかな?
あとステータスを見せてもらった。
三菱加羅
男
14歳
裏の勇者
レベル1
HP 600
MP 300
攻撃力 40
防御力 30
素早さ 45
運 100
スキル 裏視 賢者 言語理解
賢者
男
14歳
皇の勇者
レベル1
HP 550
MP 550
攻撃力 60
防御力 70
素早さ 30
運 1000
スキル 皇命令 言語理解
山弍萌
女
14歳
無の勇者
レベル1
HP 350
MP 950
攻撃力 20
防御力 30
素早さ 50
運 60
スキル 無限 言語理解
皆もすごそうなスキルだ!
あ、そうだ。
「王様!」
「む?何かね?」
「魔王は何故人間を脅かしているのでしょうか?」
「む?それはもちろん我らに土地を奪い、我らを食い物にしようとしているだろう。」
「ではなぜ土地を奪いに来ているのでしょうか?我ら以外に食物はないのでしょうか?」
「魔王は太古から世界を我が物にせんと幾度となく戦ってきた。世界征服を謳っておる。魔王や魔族や魔物は魔素をエネルギーとして生きておる。我らを殺そうとするのは娯楽でもあると言われておる。」
「太古から…ですか?」
「うむ。幾度となく書物に書き記されている。」
「今の魔王も世界征服を謳っているのですか?」
「うむ?こうして攻めてきているのはそういうことなのであろう。」
「つまりわからないと。」
「…何を言いたいのだ。」
「俺は魔王に直々に聞いてみたいと思った。何故人間を脅かしているのか。世界征服をする意味とは。娯楽をするのは何故相手が人間でなければいけないのか。だから今から行ってきます。」
「な…訓練もなしで行くつもりなのか!?」
「ある程度武芸は嗜んでおります。それに、俺は強いと自負してますので。」
「良いね!勿論俺も行くぜ!ソ連!」
「しっきー…?」
「私も行くわ♡当然でしょう?それに行かなきゃ損だわって私の感が言っているの。」
「カラちゃん?」
「僕も付いていくさ。僕だって時期天皇だよ?まぁ飾りだけみたいな物だけれど…それに…ゴニョゴニョ…。」
「ちょ、ケンケンまで!?」
「ふふ…もちろん私も。楽しそうじゃない!」
「もえっちまで…あーもう。付いてきてくれ!四人とも!」
「「「「勿論(よ♡)」」」」
周囲の反対を押し切り金と食料と地図を手にしてランアルド国を出発したのであった。